想いをつなごう。その人の、その先へ。ダスキン60周年記念

リスクマネジメント

基本的な考え方

当企業集団におけるあらゆるリスクの発生を事前に把握し対応策を講じるとともに、万一リスクが顕在化した場合に受ける被害を回避又は最小化することを目的とします。

リスクマネジメント体制

企業集団を対象に、リスク管理についてリスクマネジメント基本規程を策定し、同規程においてリスク管理部門及びリスクマネジメント責任者を定めています。

子会社においても、規模や業態などに応じて順次リスクマネジメント責任者を設置し、企業集団のリスクを網羅的・統括的に管理しています。

リスクマネジメントに関わる全ての運営及び事務を統括する事務局を「品質保証・リスク管理部(リスク管理室)」に設置し、リスクが顕在化した場合にはリスク管理部門と事務局が連携して対策にあたっています。

リスクマネジメント体制図
リスクマネジメント委員会(取締役会の諮問機関)
  • 委員長:品質保証・リスク管理部を担当する執行役員
  • 事務局長:品質保証・リスク管理部 部長
  • 事務局:品質保証・リスク管理部 リスク管理室
  • 委員:各部門リスクマネジメント委員※委員以外の者も、委員会の要請で出席

リスクマネジメント委員会

当社企業集団におけるあらゆるリスクの発生を事前に把握し対応策を講じるとともに、万一リスクが発生した場合に蒙る被害を回避または最小化することを目的に、取締役会の諮問機関として「リスクマネジメント委員会」を設置しています。毎期年2回開催し、リスクマネジメントに関する年度計画、発生リスクの原因及び対応策のほか、自然災害対策対応、グループリスクマネジメントの推進などについて審議・報告し、本社被災時の対応について見直しを実施しました。

リスクアセスメント

各部門は部門特有のリスクに対応するため、「未然防止対応マニュアル」に基づいて、リスクの抽出・重要度の分析を行い、要因別の対策を立案しています。

毎年、リスク管理部門と事務局が対策の達成レベルや効果等を確認・評価し、各部門は、この評価に基づいて対策を見直しています。また、法改正情報、他社事例、自社の危機発生状況をもとに新たなリスクを抽出するなど、各部門が自らリスクマネジメントを実施することを推進しています。

事業継続マネジメント(BCP:Business Continuity Plan)

大規模な自然災害や感染症などの緊急事態が発生した場合でも、お客様および加盟店に対する商品・サービスの供給責任を果たし、事業の被害損失を最小限に抑えるために、各事業においてBCP(事業継続計画)を策定しています。また、BCP の定期的な見直しや安否確認体制の構築、災害発生を想定した訓練など、BCM(事業継続マネジメント)を推進しています。

BCP 基本方針

  • ・人命の安全を優先し、被災から早期復旧をはかる
  • ・フランチャイズ本部として加盟店への商品等の供給を継続する
  • ・社員の生活を守る

危機発生時の体制

危機発生時、または震度5強以上の地震が発生した際は、各部門のリスクマネジメント責任者が自ら情報収集を行い、事務局に報告する体制を構築しています。
また、地震だけでなく、その他の自然災害によって被害が発生していると思われる場合も、直ちに情報収集を実施します。

甚大な自然災害が発生した場合、社長は災害対策本部設置の有無を判断し、災害対策本部長を指名します。また、企業集団に及ぼす影響が高いリスクが発生した場合、リスクマネジメント委員長は危機対策本部設置の有無を判断し、対策本部長を指名します。

BCPにおいて対象とする事象

本社(大阪府吹田市)が被災し、本社機能がストップしても被災していない地域の営業活動を継続させるため、発生確率が高い「南海トラフ地震」を対象とし、被害は南海トラフで発生する地震のシナリオで最も巨大な「南海トラフ巨大地震」で被害を想定し事業継続計画を策定しています。

海トラフ地震の規模・30年確率

有事に備えた商品供給の事前対策

ダスキンの製商品を製造するメーカーが自然災害等で被災し、商品供給が一時停止すると、お客様にもご不便をお掛けしてしまうことになります。そこで、とくに影響の大きいダストコントロール事業及びフード事業の主力商品を対象に、事前対策を講じています。

事前対策の考え方
  • 1.製造技術に関する特異性等の観点から特定の会社に依存している商品調達を除き、複数社購買にて対応する
  • 2.直接の購買先の事前対策の実施状況を調査する
  • 3.有事に代用できる類似品・代替品をあらかじめ選定しておく

情報セキュリティ

業務上接する情報の管理レベルを段階に分け、保管方法やアクセス権限に制限を設けるなど、情報への不正アクセスや紛失、破壊、改ざん、漏洩などを防止しています。

個人情報の取り扱いについては個人情報保護方針を定め、全社員への周知・徹底を図るとともに、個人情報保護管理者を責任者とする管理体制を構築しています。個人情報保護マネジメントシステムの要求事項に準拠した体制を整備しており、ルールを厳格に運用しています。

事業等のリスク

以下におきまして、当社グループ(当社及び当社の子会社)の事業展開及びその他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。これらのリスクの可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在します。係るリスク要因のいずれにおいても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

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代表的リスクと対応策

分野 リスク 対策
ビジネスモデル
(フランチャイズ方式)
加盟店の理解・協力が得られず、施策の計画が中止または遅延するリスク 新商品・サービスの開発・導入、新規出店、既存店の改装等の施策に当たっては、加盟店の理解・協力・資金負担等を得られるよう、十分なコミュニケーションを図る。
加盟店の離脱、加盟店との訴訟、または加盟店による法令違反・不祥事が発生するリスク 加盟店との信頼関係の構築に努めるとともに、指導・教育体制を充実させる。
経営環境の変化 クリーンサービス事業の市場規模が縮小するリスク 商品開発、販売チャネルの拡大、決済方法の多様化等に対応する。市場拡大が見込まれるケアサービス事業の新規加盟店の募集等により、事業拡大を図る。
ミスタードーナツ事業の市場動向、競合の状況、消費者の嗜好の変化や原材料等の高騰リスク 郊外・都市立地等への新規出店、利用動機や立地環境に応じた店舗の改装・再配置、付加価値の高いメニューの開発、アジア市場への進出等により事業拡大を図る。
製商品の安全性 訪販グループで展開する事業の製商品に、品質上の問題が発生するリスク 開発段階から安全・安心を客観的に判断した上で、商品を市場に導入する。市場導入後についても随時、流通品の品質を確認し、定めた品質の維持に努める。
食品の安全性 フードグループ店舗における食中毒や、食品衛生法等の法的規制に違反するリスク 衛生管理ガイドの整備、外部検査機関を使った自主検査を定期的に実施する等、食品の安全性を確保するための社内体制を構築・運用する。
サービスの品質 サービス提供中の事故による過失責任が問われるリスク。または、サービスの瑕疵や資器材等の問題を原因とする健康被害等が発生するリスク 事故の発生防止や緊急時対応等、教育研修による徹底的なスキルアップ、マニュアルの整備等に積極的に取り組む。サービススタッフは一定の技能を必要とすることから、研修制度、ライセンス制度によりサービス品質の向上及び均一化を図る。
調達 予期せぬ天災地変等で製品の製造が困難になるリスク 製造技術に関する特異性等の観点から特定の会社に依存している製品の調達を除き、複数社購買等にて対応する。
自然災害 地震、台風、洪水等の大規模な自然災害により、営業活動が停止したり、設備が被災したりするリスク 自然災害発生時の損害を最小限に抑えるため、安否確認体制の構築、対応マニュアルの作成、事業継続計画の整備に努める。災害発生を想定した訓練を実施する。
新型コロナウイルス
感染症拡大
長期化または更なる感染拡大が進行すれば、業績への影響が拡大するリスク お客様の安全を最優先に考え、国(政府、関係省庁)及び各都道府県等の方針に従うことを原則として対策を推進する。
情報セキュリティ 不正なアクセスにより、個人情報の流出等の重大なトラブルが発生するリスク 個人情報保護規程をはじめとする諸規程の制定、役員・従業員への研修の実施、加盟店を対象とした勉強会の開催、システムのセキュリティ対策等、個人情報の管理体制を構築・運用する。