社外取締役メッセージ

「統合レポート2020」でご指摘いただいた課題を振り返った上で、ダスキンの目指す未来に向けて今、ダスキンが何をなすべきか、企業価値向上について社外取締役の3名にご意見をいただきました。

2020年度に指摘された主な課題
2020年度の「統合レポート」では、善積取締役と関口取締役の対談において全社利益、全社視点からの社内取締役の発言の不足、建設的な議案づくりなどをご指摘いただきました。また、経営資源を有効活用するための選択と集中の視点やデジタル化の進展への対応、ガバナンスを強化する必要性といった課題についても論じられました。
社外取締役 善積友弥
社外取締役
善積 友弥
1978年、味の素株式会社入社。2007年より同社取締役に就任し、アミノ酸カンパニー長、バイオ・ファイン事業本部北米本部長兼アメリカ味の素社(現味の素ヘルス・アンド・ニュートリション・ノースアメリカ社)取締役社長等を歴任した。2017年6月より当社取締役。

株主に対する責任を果たすために、経営全体で目標ROEの達成を目指す

取締役会では、社内取締役の方々も自分の執行範囲以外も含めて発言が増え、多面的で活発な議論ができるようになってきました。その結果「事業撤収」という言葉が議論の場で出るようになり、「選択と集中」という視点から事業性の評価が一段と進んだと感じています。それを更に加速するため、社外取締役として引き続き株主を代表する立場からの発言を心掛けていこうと思います。そうすることで、もう一つの課題であるバリューチェーン全体の適正化・強化の取り組みも併せて加速できると考えています。

後継者問題は社外役員会議のテーマの一つです。当社には私が議長を務め、社外役員2名も参加する取締役評価検討会という機関があり、各グループで成果を上げた後継者候補を、どのように透明性を持って公平に評価していくかを議論しています。ここが機能してくれば、取締役会の実効性が更に高まると考えています。更に、次の世代を見据えた人材育成についても検討を重ねています。どのような人材を求めているのか明確に示すことも経営の仕事だと考え、人事担当者と議論を重ねています。

ダスキンは「道と経済の合一」を掲げて事業を運営しています。株式公開会社としては、その理念を実践していく上で目標ROEの達成は不可欠であり、経営全体の責任です。社外取締役の役割は、社長やグループ担当COOが追求する事業目標をサポートし、そして会社としての経営目標を達成し、株主の皆様へのその成果の還元に貢献することだと考えています。株主に対する責任感と危機感を持って、効率的に経営を推進してまいります。

社外取締役 関口暢子
社外取締役
関口 暢子
外資系企業、経営コンサルタントを経て2005年株式会社カプコン入社。2011年同社執行役員に就任、経営企画統括、人事本部長などを歴任。 2019年6月より当社取締役。

ダスキンはサブスクリプション・サービス、SDGsの先駆者

前年度に比べて、取締役会での議論の内容が深くなってきました。個別の案件に関する議論に加え、3〜5年後を見据えた中期的、かつ全体の戦略を議論する時間がかなり増えています。前年度指摘させていただいた取締役会の建設的な議案づくりという点において、中期戦略をリードする経営企画が意識的に議案に組み込んでくれただけでなく、具体的な数字を含んだ資料を準備してくれたおかげで効果的に議論を進めることができるようになりました。コーポレート・ガバナンスという観点から、これだけオープンに議論できている会社はあまりないと思いますが、今後は更に時間をかけて戦略の議論ができると良いと思います。これまで以上に社内取締役の発言も促していきたいと考えています。

現在、ダスキンは売上の伸びが課題となっていますが、それを解決するためには成長戦略が重要です。ダスキンは以前からモップやマットなどのサブスクリプション・サービスをやってきており、長くSDGsを推進してきた会社です。サービスという面においても素晴らしいクオリティーを持っており、ブランド価値を向上できるポテンシャルはまだまだあると思います。これらの強みを活かすため、全国展開している加盟店を含むビジネスモデル全体でのDXといったような新しいチャレンジに取り組むことも必要だと思います。会社全体としてのIT・デジタル課題を理解するために、昨年より情報システム会議にもオブザーバー参加しています。

役員に対しデジタル教育が実施されるなど社内での課題意識は高まってきていますが、引き続き、ダスキンの強みを活かして次の世代を取り込めるよう力を尽くします。

社外取締役 辻本由起子
社外取締役
辻本 由起子
1986年、プロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク(現プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社)入社。2014年同社取締役退任後、株式会社shapes代表取締役に就任。2020年6月より当社取締役。

ダスキンの強みを理解し、50年後を見据えた「第3の柱」を

社外取締役として1年が経ちましたが、ダスキンは形だけではなく実質的にガバナンスが効いている会社だと感じています。社内会議にも必要だと思えばオブザーバーとして参加できますし、取締役会に上程される内容について事前に担当者から説明があるなど、経営課題に関する情報を十分に入手できます。取締役会も発言がしやすく、社外取締役としての仕事はしやすいと感じています。

ダスキンは社員一人ひとりがさまざまな意見を聞き、やるべきことをやっていこうとする気持ちが強いと感じます。社外取締役として取締役会で役目を果たすだけではなく、これまでの経験や知見を踏まえて、新商品・サービスの開発会議に参加し、顧客理解、開発プロセスなどへ意見を述べるなど、企業価値向上に貢献できるよう意識しています。

ダスキンの強みは、商品企画の段階から販売・サービスまで顧客と一本の線でつながったビジネスモデルを持っていること、そしてそのブランド力です。社会環境・顧客のニーズの変化を踏まえ、テクノロジーの進化を活かして、今までアプローチが難しかった層も含め、顧客へとつながる線を増やし、更に強化していくこと、これこそ本部が率先してリードしていくことだと考えます。

今、ダスキンにはクリーンサービスとミスタードーナツの2つの大きな柱がありますが、将来のダスキンを支える土台・そして第3の柱を力強く育てていく必要があります。50年後を見据えて、経営陣としてダスキンがどういう会社であるべきかを常に考えながら、収益力のあるビジネスの成長に貢献できるよう努めてまいります。