社外取締役メッセージ

「生活者の視点」を常に意識しながら
企業成長と価値創造に向けた提言を行っています。

社外取締役 片田 純子
社外取締役 片田 純子
プロフィール
  • 1997年より、大阪いずみ市民生活協同組合の組合員として、商品学習・普及活動、環境活動、ライフプラン講習などの活動に取り組む。
  • 2007年、同生活協同組合監事(2015年6月退任)。
  • 2015年6月より、当社社外取締役。

Q 社外取締役としての役割をどうお考えでしょうか?
また、そのために心がけておられることは何でしょうか?

私たち社外取締役に第一に求められるのは、独立性の高い第三者の立場から企業経営を見つめ、必要な提言を行っていくことです。市場環境が目まぐるしく変化する中で企業が成長するためには、物事を多様な視点で捉え、状況に柔軟に対応することが求められます。ダスキンはさまざまな専門分野や経歴を持つ社外取締役と社外監査役を複数名選任して、そうした多様な視点を確保しています。

私は、大阪いずみ市民生活協同組合という団体において、組織運営のあり方や活動内容を組合員という立場で監査する職務に約8年間従事してきました。その経験を踏まえ、社外取締役の仕事では「生活者の視点で見る」ことを重視しています。ダスキンと生協には居宅訪問と店舗という共通する顧客接点があり、各事業を見るときにはそれらの接点で提供される商品・サービスが「生活者ニーズと乖離していないか」を常に意識しています。

企業に対する生活者の目線は近年大きく変わりつつあります。当社が毎年1回実施する消費者団体との懇談会でも感じることですが、企業の取り組みに対して、個人のメリットだけでなく、さらに踏み込んで「社会全体にとってどうなのか?」という見方をする生活者がどんどん増えています。食の安全・安心はもちろん、女性の活躍推進や環境保全などにも多くの生活者が高い関心を寄せています。企業はそうした社会的要請を意識して、それに応える姿勢を前面に打ち出していく必要があると思います。ダスキンの多様な商品・サービスは、一人ひとりのお客様のお困りごとを解決していますが、企業全体として見たときに、社会にどんなインパクトを与え、どのような社会的価値を生み出すのかといった観点から、事業の定義を再確認することも必要ではないかと提言しています。また、新事業などを検討する際には、生活者個人のベネフィットだけでなく、社会へのお役立ちという観点をコンセプトに組み込み、開発していくことが今後ますます重要になってくると考えます。

Q 社外取締役に対するダスキンのサポート体制をどう評価されていますか?

知識・情報の提供については、充分なサポートがなされています。「生活者の視点」で経営をチェックしていくためには、当然ながら「現場」をよく知る必要があります。特にダスキンは生活密着型の事業を幅広い領域に展開していますので、実際の現場を知らないことには生活者目線のチェックもできません。社外取締役に就任した当初は知らない事業分野も多かったのですが、この3年間で各地の工場や事業所などをはじめ、さまざまな現場を見学し、その都度丁寧なレクチャーを受けることができたので、事業構造の理解が進みました。

取締役会の会議資料に関しては、議題ごとに論点を整理した資料が、余裕をもって事前に送られてきます。重要度の高いものについては事前説明をしてもらえますし、質問が出そうな部分については予め参考資料が添えられています。個別に詳しく確認したいと要望することも可能です。

また、ダスキンには取締役会の諮問機関の一つとして社外役員会議」があります。社外役員が透明で公正、且つ客観的な立場から経営の監督機能を発揮し、実効的なコーポレート・ガバナンスの実現に資する有益な意見を表明することを目的とした素晴らしい仕組みです。先に述べた取締役会の資料も、この社外役員会議の意見交換で要望をまとめて提言したことが、資料の作り方やデータの扱い方の改善につながりました。

毎月の取締役会には、自由に意見を述べやすい雰囲気があります。事前の情報提供が十分になされているため、審議内容に対して有意義な発言をすることができますし、議長は常に意見や感想を訊ねてくれます。さらに今年4月の「執行役員制度」導入によって、業務執行と意志決定・監督の機能が分離されるため、よりスピード感のある経営の実現が期待されます。私は生活者という視点から事業を見つめる社外取締役として、企業の社会的価値の創造に貢献していきたいと考えています。

※ 2017年度は、6回開催

Q ダスキングループが企業価値を持続的に高めていくためのアドバイスをお願いします。

3年前、ダスキンの社外取締役に就いたときに私が最も感銘を受けたのは、当社の経営理念と「喜びのタネをまく」という素晴らしいスローガンでした。それが加盟店を含めたグループ全体に深く浸透し、事業のさまざまなシーンで「行動」として実践されています。

このことはダスキンという企業グループの非常に素晴らしい特質であると思います。そして、この経営理念が放つ存在感には圧倒的なものがあり、経営方針にも現れています。それに比べてですが、経営方針から事業戦略を具体的に打ち出し浸透させていく過程にやや弱さを感じます。圧倒的な経営理念、そこから導き出される事業はおのずとうまく回っていくと考えてしまいがちなのかもしれません。理念として掲げる姿と、戦略として描く像とは、次元の異なるものとして浸透させていくことが必要ではないでしょうか。

企業としての成長を考えるならば、市場環境の変化に対応した戦略を打ち出し、それをしっかり実行することが重要です。先頃「中期経営方針2018」が発表されましたが、戦略においては、グループ全体の戦略を明確にし、全体で共有することが大切です。それを踏まえてこそ、各事業部内で打ち出される戦略がより明確に、かつ具体的に実行に移されるのだと考えます。それと同時に、必ず実現させるのだという姿勢を持ち続けることが必要です。「喜びのタネをまく」というスローガンを基盤とした一体感とともに、各事業部門が戦略の実現に向けての一体感を醸成していくこと、それこそが「ONE DUSKIN」実現へのあゆみであり、将来の持続的な成長につながっていくのではないかと考えます。