想いをつなごう。その人の、その先へ。ダスキン60周年記念

持続可能なサプライチェーン

基本的な考え方

ダスキンは、取引先企業との相互理解と信頼関係に基づいた取引を行うため、広く国内外の企業に対して門戸を開き、信義・公正・公平・機会均等の原則に立つとともに、法令・社会規範を順守した調達活動にあたっています。

なお、これらを実現するために、行動指針である「ダスキン行動基準」に定めている考え方は、以下の通りです。

●ダスキン行動基準-4 取引先に対して

1. 取引における法令順守
私たちは、取引先との信頼関係を維持するために、独占禁止法、下請法などの内容を十分に理解し、取引のすべてにおいて公正さを保持します。
2. 取引先へのコンプライアンス順守の要請
私たちは、消費者・お客様に安全で安心な商品・サービスを提供するため、取引先に対して厳格な法令順守と徹底した安全管理を求めます。
3. 契約に基づく対等な関係
私たちは、取引先に対して取引条件などを自由、対等な立場で十分に話し合い、公正な契約を結びます。
4. 公正な基準と適正な手続き
私たちは、取引先の選定、取引継続については、価格・品質・納期など公正な基準と適正な手続きに則り、最終的な決定を行います。非合法・反社会的な取引先とは一切関係を持ちません。
5. 取引先との節度ある関係
私たちは、取引先との信頼関係を業務上のコミュニケーションを深めることによって構築します。私たちの家族を含めて社会的常識の範囲を超えた接待・饗応・贈答などは、受けず、行わず、要求しません。
6. 国際ルールの尊重と現地法令の順守
私たちは、海外で事業を展開する際には、国際ルールや現地法令の順守はもとより、現地の文化や慣習を尊重し、相互の信頼に基づく事業活動を行います。また私たちは、海外での事業活動においても、自社の利益の追求だけでなく、その国や地域の豊かな社会の実現に貢献する経営を行います。

調達実績

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
サプライヤー数 603社 448社 449社 454社
調達金額 49,850百万円 48,004百万円 50,105百万円 57,337百万円

品質の保持と環境への配慮

調達先との取引開始にあたっては、ダスキンの経営理念にご賛同いただき、経営哲学を持ち、品質の管理・保証体制が確立していること、環境や廃棄・リサイクル、労働慣行、労働安全衛生等における法令を順守し、環境・社会的課題に積極的に取り組んでいることなどを条件とさせていただいています。

取引先とのパートナーシップ強化

仕入先様勉強会

取引先企業とのパートナーシップの強化を図るためには、ダスキンの考え方をご理解いただくことが重要と考えています。その一環として、ダスキンでは、品質方針やコンプライアンスの取り組みとともに、当年度の事業計画(開発・販売促進・購買物流計画)の情報を共有するために、『仕入先様勉強会』を毎年開催しています。
ほかに、取引先企業より業界動向や相場、ESGやSDGs観点の環境・社会課題等について、適宜、情報提供をいただいています。

仕入先様勉強会

参加企業 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
訪販グループ
(社数)
187社 コロナ禍で
開催自粛
169社 196社 203社
訪販グループ
(参加者数)
187人 オンデマンド配信
ミスタードーナツ事業本部
(社数)
99社 コロナ禍で開催自粛 75社
ミスタードーナツ事業本部
(参加者数)
184人 110人
ダスキントレードショーの様子

取引先企業と当社開発担当者のビジネスマッチングとマーケティングコミュニケーションを促進するため、「ダスキントレードショー」を定期的に開催しています。
2021年度は、コロナ禍による感染拡大防止の観点により新たな取り組みとしてWebでの展示会を実施し、29社の取引先企業にご出展いただきました。

出展社コメント

普段接点の少ない部署のみなさまにもご来場いただき、当社の商材を知っていただく貴重な機会になりました。
ご参加いただきやすく、また出展側としても各商材の詳細について資料をダウンロードいただくことでお伝えしやすいというのは、オンラインならではのメリットだったと感じています。
今後ともよろしくお願いいたします。

大日本印刷株式会社
情報イノベーション事業部
関西CXセンター
金森 俊喜様

新規仕入先の選定

新規仕入先の選定ステップ

新規仕入先を選定する際には、常に公正、公平で自由な競争を前提とし、規程に沿った所定の手続きを経た上で選定しています。

新規仕入先候補には事前に自己評価の作成を依頼し、透明性や納得性を高めています。同時に、外部信用調査を実施するとともに、ダスキン担当者が候補企業を訪問し、独自の「仕入先評価表」に基づいた内部評価を実施しています。

この「仕入先評価表」では、候補企業のISO認証取得状況や廃棄物管理の状態や使用エネルギー削減への取り組み、人権や労働慣行、作業環境の整備などについても、チェックしています。

また、取引開始後も「仕入先管理マニュアル」に基づいた定期監査を実施することで、品質の担保及び商品の安定供給につなげるとともに、主要な商材については複数社と取引するなどして経営リスクの低減を図っています。

有事に備えた商品供給の事前対策

ダスキンの製商品を製造するメーカーが自然災害等で被災し、商品供給が一時停止すると、お客様にもご不便をお掛けしてしまうことになります。そこで、とくに影響の大きいダストコントロール事業及びフード事業の主力商品を対象に、事前対策を講じています。

事前対策の考え方
  • 1.製造技術に関する特異性等の観点から特定の会社に依存している商品調達を除き、複数社購買にて対応する
  • 2.直接の購買先の事前対策の実施状況を調査する
  • 3.有事に代用できる類似品・代替品をあらかじめ選定しておく

原材料製造委託工場の定期監査

原材料製造委託工場の定期監査(倉庫)

食品の製造委託先の工場に対しては、新規取引前の監査・製造時の監査、定期監査を行い、継続的改善に取り組んでいます。監査では、食品工場専門の担当者が、工場の施設管理・工程管理・衛生管理・生産管理など、多岐にわたる項目のチェックにより評価を行います。なお、定期監査は、監査評価点等で工場ごとにランク付けをし、ランクに応じて実施しております。

原材料製造委託工場監査実績

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
新規監査 10工場 14工場 3工場 11工場 6工場
(うち海外工場) 2工場 2工場 非実施 非実施 非実施
定期監査 30工場 38工場 24工場 18工場 36工場
製造委託先食品工場の監査スキーム

サステナブル調達に関する基本方針

私たちは、ダスキン行動基準(コンプライアンス)を順守するとともに、人権・労働・地球環境保全など社会的責任を果たす調達活動を取引先とともに推進し、持続可能な社会の実現に貢献します。

1.法令順守と国際規範の尊重
私たちは、各国・地域の法令を順守し、国際行動規範を尊重した公正・公平な調達活動を推進します。
2.人権・労働・安全衛生への配慮
私たちは、「人権尊重に関する基本方針(結社の自由および労働者の団結権、団体交渉の権利など労働基本権の尊重、強制労働・児童労働の防止、差別の排除、働きやすい職場環境、人権教育・啓発の取り組み)」に準拠し、労働環境や安全衛生に配慮した調達活動を推進します。
3.品質・安全性の確保
私たちは、「ダスキン品質方針」に準拠し、品質・コスト・供給の最適な水準に基づく高い品質と安全・安心の確保をめざした調達活動を推進します。
4.地球環境への配慮
私たちは、「ダスキン環境方針(廃棄物削減、資源の有効活用、CO2排出削減を含む気候変動への対応、水資源、生物多様性の保全、環境マネジメントシステムによる継続的な改善)」に準拠し、地球環境保全に配慮した調達活動を推進します。
5.情報セキュリティの保持
私たちは機密情報および個人情報を厳格に管理した調達活動を推進します。

サステナブル調達に関する実績

  2022年度
人権・労働問題など 深刻な人権侵害やコンプライアンス違反が認められた実例はありません。
(2019年度0件、2020年度0件、2021年度0件、2022年度0件)
取引先企業向け通報・相談窓口 「ダスキン購買クリーンライン」利用件数0件
業務に関連する請負業者の死亡件数 実例はありません。
(2019年度0件、2020年度0件、2021年度0件、2022年度0件)

環境や社会的課題に関する取引先監査

アブラヤシの実から採れるパーム油は、その農園開発が熱帯雨林の破壊などに悪影響を及ぼすことが世界的に危惧されています。そうした原材料を使用する際は、パートナーシップを築いている取引先企業と調達体制の構築に努めています。

定期的に、商社・メーカーとともにマレーシア・ジョホール州にあるパーム椰子農園とパーム油の搾油工場を視察、および現地のオイル製造工場の定期監査を実施しています。

同工場は、品質マネジメントシステムのISO9001や食品安全マネジメントシステムのISO22000、環境マネジメントシステムのISO14001の3つの国際規格に加え、食品の衛生管理システムの国際標準であるHACCP(ハサップ)の認証を取得しています。また、5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)活動や安全講習、衛生講習を毎月実施し、衛生管理の徹底に取り組んでいます。さらに、工場排水に関しては、国の基準より厳しい規準を設けて自主検査を実施しデータを保存するなど、周辺環境に配慮しています。

パーム油は、農園で椰子を刈り取ってから24時間以内に搾油しないと品質の劣化が進みます。そのためミスタードーナツのドーナツオイルの調達先の搾油工場では、農園から48km以内の立地にあります。農園と搾油工場でも5S活動の取り組みを実施しています。また、農園、搾油工場で排出した汚水は沈殿池で微生物処理し、その際に出たガスは場内のプラントに蓄積し、燃料として再利用しています。

  • オイル製造工場の定期監査
  • パーム椰子農園