トップメッセージ

「道と経済の合一」を経営の根幹に据え
社会的価値の創造と
持続的成長を追求していきます

株式会社ダスキン 代表取締役 社長執行役員 山村 輝治

経営の基本とビジネスモデル

時代とともに「変えるべきもの」と「変えてはならないもの」

私は社長に就任以来、ダスキンの経営理念を未来に継承していくことが、トップとしての重要な使命であると考えています。

創業者・鈴木清一は、何故ダスキンという会社を創ったのか。その目的は、人に、社会に喜びのタネをまくためでした。その実践としての事業が「お掃除」や「ドーナツ」であり、ダスキンという会社の本質的な存在意義は、「喜びのタネまき」そのものにあります。ダスキンの経営理念は「不変」であり、時代を超えて未来へ継承していかねばなりません。

一方で、理念を実践する事業においては、同じことを続けていれば良いということはありえません。時代のニーズ、社会からの要請は常に変化しています。その変化をしっかりと捉え、今求められているものに応じた事業を推進していくことこそ、経営トップの役割であると考えています。

近年のインターネットの普及や高齢化社会の進展を背景に、多様化が進む市場ニーズに的確に対応していくため、ダスキンの商品・サービスや組織体制は大きく変化してきました。2019年3月期は、従来の「クリーン・ケアグループ」を「訪販グループ」に改称するとともに、お客様の暮らしのリズムを整えるための「生活調律業」というコンセプトを打ち出し、各事業間の連携の強化を図りました。

これからも経営理念をしっかり継承しながら、世の中の変化を敏感に捉え、真に求められる商品・サービスの提供を通して「喜びのタネまき」を実践していきたいと思います。

ダスキンのCSV 経営

創業期より経営の根幹に位置づける「道と経済の合一」

近年、企業の成長戦略として共通価値の創造(Creating Shared Value:CSV)が注目されています。背景には、「社会的な価値創造」と「営利企業としての経済活動」を両立させることが、企業成長とともに持続可能な社会を実現するためには不可欠であるという考えが社会で浸透していることがあり、日本でも2018年のESG(環境・社会・ガバナンス)投資額は、2016年の4.6倍の2兆ドルに膨らんでいます。また、2030年に向けた国際社会共通の目標である「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」が国連で採択され、政府・自治体・企業等が取り組みを積極的に進めています。

このような考え方は、創業時よりダスキンが、「道と経済の合一」を経営の根幹に据え、事業推進の指針としてきたことと同じです。創業者・鈴木清一は「冷たい水拭き掃除から日本の主婦を解放したい」と考え、当時「魔法のぞうきん」と呼ばれた、水を使わずしっかりホコリをとる「ホームダスキン」を誕生させました。同時に多くの方々にご利用いただけるよう、フランチャイズシステムでレンタルするという新しい流通システムを確立させました。創業期からの「社会のお困りごとを社会のお役立ちに変える」という思いは、共通価値の創造(CSV)そのものといえます。

また、当社の従業員だけでなく、フランチャイズ加盟店もダスキンの経営理念に深く賛同し、多くが自社の理念として掲げる運命共同体であることが、ダスキングループ及び加盟店・協力工場の大きな特長です。

このように、経営理念で結ばれた本部と加盟店が「一枚岩」となってお客様の声に耳を傾け、新しい価値を提案していくことこそが、ダスキンの「CSV 経営」の姿といえます。

ステークホルダーへのメッセージ

培ってきた「強み」に磨きをかけ、全力で「喜びのタネまき」を

2019年春からの新たな企業広告のメッセージは「AIにできないことを。」です。当社の強みは、まさにこの言葉に象徴されていると思います。

現代はあらゆる分野でAI(人工知能)導入や自動化、ロボット化が進み、人と人との関わりが希薄になっている時代です。だからこそ「人にしかできないこと」がますます大切になっています。当社グループにおいても、定型業務の自動化(RPA)や生産の自動化をはじめ、コンピュータやAIでできることは積極的に移行し、正確性と効率性を高めていきますが、その目的は社員が「人にしかできないこと」に専念できる環境を整え、提供するサービスの質を高めていくことにあります。

これからも私たちダスキングループは、お客様に寄り添いながら、事業間の連携をより強化するとともに、培ってきた「人にしかできないホスピタリティ」という強みにさらに磨きをかけ、人に、社会に、「喜びのタネまき」を続けていきます。ステークホルダーの皆様には、引き続き温かいご理解・ご支援をお願い申し上げます。

2019年8月
株式会社ダスキン
代表取締役 社長執行役員
山村 輝治