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研究・発表

掃除教育研究会レポート(2014年)

日時
平成27年2月21日(土) 10:30~15:30
場所
ダスキンスクール
■出席者:
  • [特別顧問]大学教授1名 准教授1名
  • [教員]小学校4名 中学校4名 特別支援学校1名
  • [株式会社ダスキン]3名
  • [株式会社キャリアリンク]2名
■進行概要
時間 内容
10:30~10:351.はじめに
10:35~11:002.ダスキンより情報提供
11:00~14:40 3.発達段階に合わせた習得目標のしあげ
  • ①学校の掃除風景映像視聴
  • ②校種別に習得目標の再確認&修正
  • ③全体共有
14:40~15:00 4.テーマ別検討「学校現場で活用してもらうために」
  • ①学校現場で習得目標を活用してもらうためのアイディア
  • ②共有
15:00~15:30 5.まとめ
  • ①大学教授よりご高評・ご講演
  • ②一人一言の感想
  • ③ご挨拶
  • ④事後連絡

発達段階に合わせた習得目標のしあげ

▼校種別「習得目標」のしあげ

校種別で習得目標や習得目標の達成をはかるためのチェックシートなどのしあげをおこなった。それぞれの成果物は、別の校種でも活用できる部分があり、特に特別支援学校の成果物は、小・中学校の特別支援学級に在籍している児童・生徒への活用も可能であるとの声があった。

イメージ

テーマ別検討「学校現場で活用してもらうために」

今回仕上げた校種別の習得目標を、今後、より多くの学校現場でご活用いただくための方法について討議をおこなった。

▼校種混合2グループに分かれてディスカッション

<グループ1の主な意見>

若い先生方は、学校で使用する掃除道具の使い方をよくわかっておらず、子どもたちに上手に教えることができていないように感じている。初任者研修でダスキン主催の教員セミナーを受講したり、いつでも希望するときに出前授業を活用できればよい。そのような活動を通して、習得目標の普及や活用が可能になるのではないか。

<グループ2の主な意見>

教員養成課程の中で、掃除については教えられることはないため、初任者研修で「掃除教育について学ぶ研修」があると良い。
また、習得目標の普及や活用に向けては、小学校では校内の「清掃担当」教員への働きかけが有効である。中学校は、終礼を終えた後に掃除開始となると、クラスによって清掃時間にばらつきが出て生徒への指導も難しくなることもある。そこで、校時表における掃除時間の設定の見直しのために、教務部への働きかけが必要ではないか。

■発達段階に合わせた習得目標のしあげ 内容共有詳細

小学校

前回のワークで検討した「社会に出たときに必要な力」を目標として、基礎基本から積み上げていく形のレイアウトだったが、ワークが進むにつれ、それぞれの分類の切り分けが曖昧になり、分類を一旦考え直すこととした。
学習指導要領の道徳の内容項目(行動の評価項目)と重なるところが多いことに気づき、それに添って再度分類をしていくと、スムーズに考えることができた。
また、この分類であれば、全国どこの小学校でも活用することができる。

学習指導要領 道徳の内容項目(行動の評価項目)一覧
  • ① 基本的な生活習慣
  • ② 健康・体力の向上
  • ③ 自主・自律
  • ④ 責任感
  • ⑤ 創意工夫
  • ⑥ 思いやり・協力
  • ⑦ 生命尊重・自然愛護
  • ⑧ 勤労・奉仕
  • ⑨ 公正・公平
  • ⑩ 公共心・公徳心

掃除=⑧「勤労・奉仕」と認識しがちだが、視点を変えると全ての項目に当てはまることがあることに気づいた。

中学校

「伸ばしたい力」を「キャリア教育の能力領域の分類」に添って整理をし、清掃活動に含まれる内容項目を分類した表を作成し、それを元に生徒自身の自己評価チェック視点を作成した。
これは、日々の掃除活動を想定してのチェック表であり、地域清掃等の活動でのものではない。

  • ●就業開発(プレゼン能力):職業体験の中で学校以外の掃除を体験し学校や家庭とは違う場所で行う掃除について学ぶ。
  • ●生活実践:家庭科「家のお手伝いをしよう」
  • ●ボランティア・男女共生:性別関係なく協力する地域清掃
  • ●キャリア統合:それぞれの場で体験したことを特活やホームルームでまとめる活動
<評価についての補足>

掃除を生徒にさせるための仕掛けを学校で工夫しないといけない。

特別支援学校

技術の習得に焦点を当て、縦軸は道具の使い方を細かい段階に分けて項目化し表を作成した。
横軸は①体の使い方、②集中力、③持続力、④コミュニケーション力、⑤観察力と設定し、それぞれの道具の使い方の中で育成できる項目とした。
これらの項目表を一つ一つ丁寧に積み上げていくことによって、達成感や責任感につながっていくと考えている。
この表に関しては、障害種類関係なく活用でき、汎用性のあるものだと考えている。

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