想いをつなごう。その人の、その先へ。ダスキン60周年記念

ホコリ分野の研究

1. ホコリはどこからやってくる?

家の中でできるホコリと、
外からやってくるホコリ。

私たちが生活するなかで、ホコリはつきもの。繊維ボコリや食べ物クズ、紙の破片、あるいは髪の毛やフケなど、私たち自身の行動が元となって発生するものや、土や砂、花粉など外からやってくるモノなど種類はさまざまです。

住まいの中にあるホコリの種類

2. ホコリの成分を探ってみると…

ホコリモニター調査より

住まいのホコリの約7割は
「繊維ボコリ」。

住まいの中のホコリの成分についてモニター調査を実施したところ、右グラフのような割合であることがわかりました。住まいの属性や家族構成、あるいは立地などでご家庭ごとに異なりますが、およそ7割程度を繊維ボコリが占めていることがわかります。

ホコリの成分分析

ハウスダストは
ホコリの中の一部です。

身体に悪影響を及ぼす原因の一つとして、最近耳にする機会が多くなってきた「ハウスダスト」。でも、住まいの中にあるホコリだからといって、すべてが「ハウスダスト」と呼ばれているわけではありません。ホコリの種類はさまざまですが、土砂ボコリや食べ物のかけらなど「重いホコリ」と、繊維や花粉、ダニのフンなど「軽いホコリ」の2種類に分けられます。そして、軽いホコリの中でも、「ハウスダスト」と呼ばれるのは1mm以下の肉眼では見えにくい大きさのものを指します。

ホコリとハウスダストの比率・ハウスダスト中の成分の重量比

住まいの中のホコリのうち、約7割は1mm以上の大きなホコリで、ハウスダストは少数派(左グラフ)。さらに、ハウスダストの内訳を重さで見てみると、繊維ボコリが約3/4を締めていることがわかりました。

3. ホコリの種類と性質

① 繊維ボコリ

衣類や寝具、カーペットや家具など、住まいの中には多種多様な繊維製品がありますが、これらの製品が発生源となるのが繊維ボコリ。しばらく掃除をしないと、灰色のフワフワがうっすら積もっているのが目に見えるはずです。ハウスダストの7割以上を占め、その他のホコリと結びついて部屋中をふわりふわりと移動していきます。

繊維ボコリが灰色に見えるわけ
被服からの発塵量の比較と洗濯回数による発塵量の違い

衣類からは、畳んだり着たり脱いだりといった動作で繊維が擦れ合って繊維ボコリが発生します。とくに着衣の動作をすると発塵量(ホコリの発生量)が最も多いことが明らかになりました。そのため、衣類を着る(脱ぐ)機会の多い脱衣所にホコリが堆積しやすいことがわかります。

被服からの発塵量の比較と洗濯回数による発塵量の違い

左上のグラフから、化学繊維に比べて綿製品からの発塵量が多いことがわかります。また、綿製品については洗濯回数が多いほど発塵量が多くなる傾向が強いことが明らかになりました。

② 土砂ボコリ

ドアも窓もちゃんと閉めているはずなのに、いつの間にか家の中に入ってくる土や砂など鉱物系のホコリ。ドアや窓の開け閉めのスキを突いて侵入してくるほか、靴の裏や衣服など人間(時にはペットなど)に付着して入ってきます。近年は舗装された道路がほとんどで、土の地面が減っているため、土砂ボコリの量も減少してきていますが、ハウスダストの大きな原因のひとつとなっています。春先には中国大陸から海を渡ってやってくる黄砂もハウスダストに。とくに西日本では問題となることが多いようです。

土砂ボコリ

③ ダニのフン・死がい

1年を通じて繁殖するチリダニ類は、そのフンや死がいがハウスダストとなって室内にたまっていきます。チリダニは人の汗やフケなどをエサに、また寝具やカーペットを住みかにして繁殖を繰り返していくため、寝具のお手入れや寝室、リビングの掃除が不十分だったりすると、爆発的に増える可能性もあります。

●アレルゲンとなるダニのフン・死がい
チリダニは生きているうちは人間に大きな影響を与えませんが、そのフンや死がいがアレルゲンとなってアレルギー症状を引き起こす原因となるため、こまめなお掃除はもとよりダニを繁殖させない環境をつくることが大切です。

ダニのフン・死がい

ダニアレルゲンについての詳細は、以下のリンクをご参照ください。
アレルギー分野の研究

④ 花粉・カビ・微生物

花粉最盛期は春先、
でも室内にたまるのは‥‥

アレルギー症状でお悩みの方は増え続けています。春先の花粉症はその代表例。屋外から持ち込まれた花粉は、室内の空気中を漂い、さまざまな場所にたまっていきます。スギ花粉の例で見れば、多くの地域で花粉飛散のピークとなる3月中旬から4月下旬ごろは気温も低めで、窓を閉め切っているご家庭も、5月になると窓を開け放しにすることも増えるため、 ベランダなどの屋外に堆積した花粉が室内に侵入。飛散のピークは過ぎても室内にはたっぷり積もっています。

春先の花粉飛散量の変化
飛散終了後(4月末~5月)に室内に入り出す花粉

このような実際の状況に合わせて対策をすることが、つらい花粉症の症状を抑えるひとつのヒントになるかもしれません。

水まわり以外にも
カビ・細菌の住みかが‥‥

お風呂やキッチンでよく見かけるカビですが、最近注目を集めているのはエアコン内部で繁殖しているケースです。適度な湿気と温度、そしてエサとなるホコリがカビにとっての好環境となって、思いのほか多くのカビが繁殖していることがあります。運転と停止を繰り返すことで、停止中には乾燥して軽くなったカビの胞子が、運転時には風に乗って室内に広くまき散らされることもあり、離れた場所でコロニー(かたまって繁殖している状態)をつくる原因ともなっています。
近年は自動お掃除機能付きのエアコンも増えていますが、フィルター部分のホコリ取りができるタイプが多く、内部をクリーンにしてくれる機能がついている場合でも、ある程度期間が経てばカビやホコリがついてしまうケースもありますので、定期的にお掃除する必要があります。
また、繊維ボコリなどハウスダストは、細菌やウイルスといった微細な病原体の住みかとしての役割を果たすため、掃除が不十分だと思わぬトラブルの元となる可能性も否定できません。「たかがホコリ」と軽視するわけにはいかない理由のひとつです。

エアコン内部で繁殖しているケース

⑤ 食品クズ

キッチンやダイニング、リビングを中心に多く発生するのが食品クズ。食べカスや食材の破片などが落ちていることに気づきませんか?大きな欠片のうちはまだしも、気づかないうちに目に見えないほどの小さな粒になると、微生物やカビなどのエサとなって、室内を汚染する原因となります。
また、食材によってはアレルギーの原因(アレルゲン)になるものもあり、調理や食事をする場所とは遠く離れた場所からアレルゲンが検出されることもあります。その原因は、やっぱりハウスダスト。小さなホコリなどに混ざって、食品クズが住まい中に広がる様子が、ダスキン開発研究所の研究で明らかになりつつあります。
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食品クズ