想いをつなごう。その人の、その先へ。ダスキン60周年記念

健究NOW

(研究助手〈以下省略〉) パリパリッ、クルリ、ハフッ、モグモグ‥‥
あー、やっぱうまいな~、最高!

(博士〈以下省略〉) おい君、研究室に何を持ち込んでおるのか

あ、これは博士。朝ごはんですよ。海苔巻いてパクっと

いや、それは見ればわかるんだが

こう見えても僕、海苔にはうるさいんですよ。短冊状に切った味付け海苔じゃなくて、大きな板海苔を軽く炙って好きなサイズに割るんです。その時の音と香りがもうたまんないっす♪

だから、なんでそんなもんここで食ってるのか聞いてるんだ!

※研究室内での飲食は禁止されています。

実は研究テーマでその姿かたちを見続けてると、どうしても板海苔を思い出してしまって

テーマ何だったっけ

マット用ゴムのオゾンクラックの発生防止です

ああ、なるほど。って納得してる場合じゃないな。確かに似てないこともないけれど

「フロアマットには、」「ズレ防止のため裏側にベースと呼ばれるゴムが貼ってあります」「このゴム、時間の経過とともに紫外線や大気中のオゾンの影響で劣化し、ひび割れが起きます」「【オゾンクラック】と呼ばれ、廃棄の原因にもなるんです」 オゾンクラックなしとありの比較

なるほどなあ

これは解決しなきゃ、世界一ひとに(環境に)やさしい会社を目指すダスキンの看板が泣いちゃうということで、私が取り組んできたわけでありますっ!

で、状況はどうなんだい?

まずはゴムの製造工程の見直しから始めました

それが基本、間違いない!

まずはゴムのベースとなるポリマーをオゾンに強いものに変更して耐オゾン性向上を目指しましたが、これはコストが合わずに断念しました
次に添加剤を増やすことで耐オゾン性を高める検証を実施。しかし、期待するような耐オゾン性向上は確認できず、コストも上がるため、断念しました

うまくいかないもんだな。そこで諦めてはいないんだろうね

「もちろんです。」「何かヒントになるものはないかと、これまでの試験結果を見直しました」「すると、小さなスケールと大きなスケールの試作マットでは、大きなスケールの試作品で耐オゾン性が低下していることが判明したのです」「大スケールと小スケールではゴムの【練り効率】が異なり、大スケールのほうが各成分の混ざり具合が均等ではない。その分散性の低さが耐オゾン性の低下を招いているのではないかという仮説を立てて‥‥」「大スケールでも各成分が混ざりやすい練り方に変更したところ、耐オゾン性を向上させることに成功しました!」「各成分の分散性を高めただけで、原料は変更していませんから、コストアップもなく品質向上が実現したことになります!」「この方法で生産したゴムを用いたマットを長期間の実使用で検証した結果、オゾンクラックの発生を半減できたのです」

いやいや、今や君はわが研究室の誉れだな、アッパレアッパレ

ありがとうございます!それにしても、今回のこの取り組みはいい勉強になりました。部材の変更や成分の添加という方法論からアプローチしてうまくいかなかったものが、練り効率をアップさせるだけで解決できたのですから

まさに灯台下暗しだな。この調子でこれからも頼むよ。そうそう、さっそく君にテーマを与えよう。大丈夫だね?

もちろんです博士!どんなことでもおまかせください、朝飯前ですよ!

いやいや、朝飯は終わってるじゃないか

研究おかわり、ということで‥‥