想いをつなごう。その人の、その先へ。ダスキン60周年記念

健究NOW

(研究助手〈以下省略〉) (ペラペラ)どれにしようっかな~っと♪(ペラペラ)

(博士〈以下省略〉) ん?何を読んでるんだ?「ステキなお部屋のつくり方」って、なんだその雑誌は

カーテンですよカーテン。いろんな種類があって迷っちゃう♡

君にそんな趣味があったとは知らなかったな

最近新しい部屋に引っ越したんですよ。そうなると何よりもまずカーテンが要るじゃないですか!

まあ、確かに要るだろうが、何をおいてもカーテンが一番というのは解せんな

だってカーテンがなかったら、プライバシー丸見えじゃないですか!恥ずかしい‥‥

誰も君の部屋なんぞ覗きたいとは思っとらんと思うが‥‥

で、これなんかイイと思いません?

これはまたドレープばっちりのゴージャスなカーテン!君の趣味がいまいちわからんぞ

特にこの飾り紐が素敵ですよね。上下のフサフサ!

ははあ、これはだな。フワッと手触りの良いパイル状の飾りだ。これは新しいモップに使われているパイルと同じ形状のものだ

えっ!?そうなんですか!

なんだ、知らなかったのか。この形状のパイルはこれまでのものとは全く違って、太くて毛羽立っているからホコリもたっぷり取れるんだよ

どうして今になって新しいパイルの形状が出てきたんです?

現在の主流はナイロンパイルと綿とナイロンの混紡パイル。細く長い一本の糸を撚り合わせ、強さと柔軟さを併せ持つ繊維に吸着剤を含浸させてモップパイル(撚糸パイル)のでき上がり。しかしこれでは繊維自体に毛羽立ちがほとんどないので、パイルの形状的にはホコリが取れやすいとは言えなかったのだ

吸着剤の力でホコリを取る、いわゆる「力技」ですね

「そこで」「現在主力のシュシュやララでは、単糸ではなく短いナイロン糸を撚り合わせ、毛羽を出す」「と同時に、従来品に比べてパイルを細くして本数を増やし、細かなすき間まで入り込む形状にしたのだ」「あわせてモップのヘッド全体をパイルで包むことで、ホコリを取る能力はグンと高まったわけだな」

ほう、やればできるじゃないですか!

他人事みたいに言うね‥‥これと並行して、パイル自体のホコリ取り能力を高めようという考え方もあってだな、ちょっとこれを見てみなさい

ナイロン糸を撚り合わせたパイルと新しいパイルの比較

おおっ!これは全然太さが違うじゃないですか!

そう。これは新しいモップ<free:zy>に使用されているパイルなんだが、これこそがさっき話に出たカーテンの飾り紐と同じ構造の繊維だ。構造の模式図でいうと‥‥

ラッセル編みイメージ図 断面イメージ 「これは「ラッセル編み」といって、たて糸に対して横方向に「花糸」と呼ばれる細い糸を多数編み込み、」「これをたて糸に沿って切断することでフワフワしたモール状のパイルに仕上げているわけだ」

このフワフワ感、いかにもホコリを取りそうですよね!

だろ?それにこれまでの撚糸パイルに比べて圧倒的に軽くできるんだ。重量で言えば約6割程度。モップは操作しやすくなるし、ホコリの取れ具合も従来品に比べてグンと増える

まさにいいことづくめじゃないですか

そうなんだが、まだコスト面や耐久性の面で幾分の改善の余地がある。まだまだこれから大きく変わっていく研究領域のひとつといえるだろうな

‥‥

おや?急に黙り込んでどうした?

やっぱやめようかな‥‥

なんだ?何をやめるんだ?この研究所か?

ち、違いますよ。これにしようと思ってたカーテン、変えようかなと思って

なんだ、あのゴージャスなカーテン、いいじゃないか

カーテンの下についてるあのモール部分、開け閉めしてるうちに絶対ホコリで汚れちゃうなと思って

そうならないように、ふだんからモップできれいに掃除すればいいじゃないか!

いや絶対無理っす。いや、まてよ。モップばらしてパイルをカーテンの下につければいいのか!そうかそうか!

あのな、カーテンはレンタルじゃないんだ。ちゃんと自分で掃除しなさい!

ハイ‥‥