カビをテーマとしたダスキンの共同研究テーマ
ダスキン開発研究所では、大学をはじめ他の研究機関と共同で衛生に関するさまざまな研究を行っています。ここでは、カビに関する代表的な研究をピックアップし、ご紹介いたします。
エアコン内部のカビの分布とエアコンクリーニングの効果について
〜東海大学 浅野浩一郎先生のチームと共同研究を実施〜
【 研究目的 】
真菌関連アレルギー疾患患者宅の真菌汚染状況の把握
(ここではエアコンのデータを抜粋します)
【 調査方法 】
日本国内のアレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)または関連疾患を有する患者の住居17軒において、リビングのエアコンを調査しました。
【 調査期間 】
2020年9月~11月
【 調査方法 】
- ①エアコンのフィルター、熱交換器の前面、送風ファン、吹き出し口を滅菌綿棒で拭き取りました。洗浄前には25cm²の範囲を2ヵ所、洗浄後には25cm²の範囲を1ヵ所、綿棒で採取しました。
- ②採取した検体を定量PCRで分析し、拭き取り面積25cm²あたりの推定真菌ゲノムコピー数を算出しました。
【 調査結果 】
送風ファンは、フィルターや熱交換器前面と比較して、単位面積あたりの汚染度が有意に高いことが示されました。(図1)
(解析方法:Wilcoxon signed-rank test)
(*p<0.05で統計的に有意な差があることを示す)
洗剤を用いたエアコンの高圧洗浄により、各部位99%以上の真菌量の減少を確認しました。(図2)
(解析方法:Wilcoxon signed-rank test)
(*p<0.05で統計的に有意な差があることを示す)
【 論文情報 】
タイトル:A Method to Evaluate and Eliminate Fungal Contamination in Household
Air Conditioners
執筆者:Yoshiki Shiraishi 1), Kazuhiro Harada 2), Chikao Maeda 2), Fumitoshi Ogino 2), Yu Suzuki 3), Naoki Okada 1), Katsuyoshi Tomomatsu 1), Yoshika Sekine 4), U. Yanagi 5), Tadashi Imanishi 3), Tsuyoshi Oguma 1), and Koichiro Asano 1)
所属:
1)Division of Pulmonary Medicine, Department of Medicine, Tokai University School of Medicine, Kanagawa, Japan
2)Research and Development, Duskin Co., Ltd., Suita, Osaka, Japan
3)Department of Molecular Life Science, Tokai University School of Medicine, Kanagawa, Japan
4)Department of Chemistry, School of Science, Tokai University, Kanagawa, Japan
5)Department of Architecture, School of Architecture, Kogakuin University, Tokyo, Japan
掲載誌:Indoor Air(Vol.2023,Article ID 8984619)
エアコンから吹き出すカビの実態について
〜大阪市立自然史博物館 浜田先生と共同研究を実施〜
【 研究目的 】
エアコンから吹き出すカビ量の把握
【 調査方法 】
大阪市周辺の一般住宅8世帯(14部屋)を対象にエアコンを1年間調査しました。ただし、途中で中断や追加で協力いただけるご家庭もありました。
【 調査期間 】
2018年8月~2019年7月
【 調査方法 】
- ①エアコンから吹き出される風があたる位置にエアサンプラー(空気を採取し、培地に付着させる機械)を設置しました。
- ②エアコン稼働前に80Lの空気を採取し、培地に付着させました。
- ③エアコンを稼働させ、直後80Lの空気を採取し、新しい培地に付着させました。
- ④エアコンを稼働してから30分後に80Lの空気を採取し、新しい培地に付着させました。
- ⑤各培地を25℃で7日程度培養した後、カビ数をカウントしました。
- ⑥上記を毎月1回、1年間継続して行いました。
【 調査結果 】
エアコン稼働直後は稼働前に比べ、カビ数が増えました。(図3)
稼働30分後は稼働前と同等のカビ数に戻りました。(図3)
エアコンから吹き出されるカビは7月、10月に多くなりました。(図4)
【 論文情報 】
タイトル:エアコン由来の浮遊カビの季節変動とその要因
執筆者:塩本麻希 1), 吉村俊樹 1), 原田一宏 2), 前田親男 2), 浜田信夫 3)
所属:
1)(株)ダスキン 品質保証・リスク管理部
2)(株)ダスキン 開発研究所
3)大阪市立自然史博物館
掲載誌:日本防菌防黴学会誌(Vol.49,No.11,pp.535-540(2021))
フローリングに生えたカビに対する清掃用具の効果について
〜大阪市立自然史博物館 浜田先生と共同研究を実施〜
【 研究目的 】
フローリングのカビに対する清掃用具の有効性の検討
【 調査対象 】
実験室内のフローリング
【 調査方法 】
- ①人工的にカビを生やしたフローリングの平面と溝を減菌綿棒で一定面積拭き取りました。
- ②乾式モップ又は乾式不織布シートで清掃しました。
- ③人工的にカビを生やしたフローリングの平面と溝を減菌綿棒で一定面積拭き取りました。
- ④拭き取りサンプルを培養し、カビ数をカウントしました。
- ⑤清掃前後のカビ数から除去率を計算しました。
【 調査結果 】
フローリングの平面部分では乾式モップ、乾式不織布シートとも95%以上のカビを除去することができました。(図5)
フローリングの溝部分では、乾式不織布シートより乾式モップの方がカビを除去でき、毛足の長さが影響している可能性が示唆されました。(図5)
【 論文情報 】
タイトル:各種払拭用具によるフローリングの真菌除去効果試験
執筆者:遠藤利恵 1)、御厨真幸 1)、今西正博 1)、荻野文敏 1)、浜田信夫 2)
所属:
1)(株)ダスキン
2)大阪市立自然史博物館
掲載誌:日本防菌防黴学会誌(Vol.52,No.11,pp.473-479(2024))
靴の中のカビの実態調査について
〜大阪市立自然史博物館 浜田先生と共同研究を実施〜
【 研究目的 】
靴の中のカビ量の把握
【 調査対象 】
夏は74足、冬は153足の靴を調査しました。
【 調査期間 】
夏:2023年7月〜8月
冬:2023年12月~2024年2月
【 調査方法 】
- ①滅菌綿棒で靴の中の各部位を約10cm²ずつ拭き取りました。
- ②拭き取りサンプルを培地へ接種しました。
- ③25℃ 6〜8日間培養し、カビ数をカウントしました。
【 調査結果 】
靴の中にもカビは生えていることが確認され、特に靴の奥の方にカビが多く生えていることがわかりました。(図6)
【 論文情報 】
タイトル:靴のカビ汚染の特徴と季節変化
執筆者:浜田信夫 1)、馬場孝 2)、原田一宏 3)、荻野文敏 3)
所属:
1)大阪市立自然史博物館
2)大阪健康安全基盤研究所
3)(株)ダスキン
掲載誌:環境管理技術(Vol.43,No.3,pp.151-162(2025))