想いをつなごう。その人の、その先へ。ダスキン60周年記念

健究畑のプロフェッショナル

社外の方と直接お話ができる現場を大切に

食物アレルゲンに有効な新しいそうじ道具のタネを模索

私が担当している業務は、食物アレルゲンの低減技術の開発や、曝露状況の調査…つまり家の中に食物アレルゲンがどれくらいあるかの調査。それに食物アレルゲンが拡散するメカニズムの解明などです。
具体的には、フローリングに付着させた食物アレルゲンを取り除く試験を行い、どの薬剤が最も効果があるか、どんな素材の布地を使うと取り除きやすいかなどを調べます。言い換えれば、新しいそうじ道具のタネみたいなものを探しているわけです。

曝露状況や拡散の調査では、研究に協力してくださる一般家庭を訪問して掃除機でホコリを採取します。キッチン、リビング、寝室、そしてふとんに掃除機をかけてホコリを採取し、生活状況についてヒアリングも行います。採取したホコリは研究室に持ち帰り、食物アレルゲンがどれだけ含まれているか調べ、聞き取り内容と紐付けて、どんな生活をすればどこにどれだけ食物アレルゲンが溜まるかを考察します。特に思い出深いのは数年前、千葉県に出張して一日中掃除機を担いでご家庭を回ったこと。それを毎月10日間、丸一年続けました。扇風機やエアコンはホコリを舞い上げるので使えず、夏場はかなり大変でしたね。

患者様やお医者様と直接お話することの大切さを実感

ダスキンが提案する「健康おそうじ」の科学的根拠を積み上げることが私のミッションですが、残念ながら私たちには医学的な根拠を導き出すことはできません。そのためにアレルギー関係の学会に参加して、共同研究をしていただけるお医者様にアプローチをしています。学会では自分たちで研究した内容を展示発表しますが、学術的な内容をいかにわかりやすく伝えるか、資料づくりには毎回苦労しますね。

現在、クリニックなどでおそうじ教室を開催していて、患者様やそのご家族におそうじ方法をお伝えすると、「そうじが楽になった」「ホコリが減って良かった」と喜んでいただけるのがうれしいですね。研究所では一般の方とお話する機会はあまりありませんが、現場に出ているからこそ、そういった反響を得ることができますし、感謝されるとやはり意欲も湧きます。一般の生活者やお医者様にお会いできる現場は、自分にとってとても大切なものだと実感しています。
今後は、おそうじ教室のパッケージ化をさらに進めて、全国で展開できるまで続けていきたいと思っています。