社外取締役インタビュー

しっかりした現状分析とリスク認識のもと
リターンを最大化できる実効性の
高い取締役会を目指していきます。

社外取締役 善積 友弥

社外取締役 善積友弥

Q ダスキンの取締役会をどのように評価していますか?

2017年6月にダスキンの社外取締役に就任して2年が経過しましたが、就任1年目に比べ、取締役会の実効性が着実に高まってきたと実感しています。とくに、2018年4月から新たに導入された「執行役員制度」の効果が大きいと思います。就任1年目は各事業の細かな状況報告が取締役会で行われる等、率直に言って「もっと議題を整理すべきだ」と感じることも多かったのですが、執行役員制度の導入で経営と執行が分離されたことで議題が整理され、それぞれの意思決定がより迅速に行えるようになりました。

さらに、社内取締役の減員により社外取締役の構成比が3分の1以上になったことで、社外監査役も含めた我々社外役員が、より意見を述べやすくなりました。議論が活性化するとともに、全社的視点からの経営判断をより効果的に行えるようになってきたと感じています。また社外役員(社外監査役3名、社外取締役3名)による「社外役員会議」を取締役会の助言機関として定期的に開催していますが、そこでの議論や取りまとめた提言は執行部門で共有・検討され、その対策が取締役会へ起案されるようになってきました。この点も取締役会の実効性がより高まっている事例と評価しています。

一つ注文をつけるとすれば、取締役会の多様性という点で、ややもの足りなさがあります。現在、社外役員には女性が2名いますが、社内役員に女性はいません。女性役員の誕生が待たれます。また、社内取締役のほとんどが事業部門の出身者で構成されています。多様な視点を確保するためにも、たとえば財務や人事、コンプライアンス部門出身の役員がいても良いのではないかと思います。

Q 社外取締役としての役割をどのように考えていますか?

ダスキンの社外役員には多様なバックグラウンドを持つ方々がおられますが、私の場合は、企業グループ全体の戦略立案や海外現地法人の事業統括といった前職での経験を活かした「経営判断のサポート」が大きな使命だと考えています。一例を挙げれば、取締役会におけるROE(自己資本利益率)の改善とPBR(株価純資産倍率)の向上を念頭に置いた機動的な資本政策の議論等が挙げられます。

また今後、海外展開を拡大していくことになれば、グローバル事業を担当した経験に基づき助言や提言ができる機会も増えてくると思います。

Q 社外役員に対するサポート体制への評価をお聞かせください。

社外役員として職務遂行に必要な情報は極めてオープンに提供されていると評価しています。加えて加盟店オーナーとの会合でお話を伺う機会もあり、この2年間でダスキンの経営理念や具体的方針、そして各事業に関する理解は相当に深まったと思います。私はメーカー(味の素株式会社)の出身ですので、当初はフランチャイズ事業の理解が充分ではない部分もありました。しかし、「加盟店」というステークホルダーが存在し、かつ「祈りの経営」という理念で結ばれている当社では、利益配分等に関して一般的なメーカーとは異なる視点が必要であり、その点を踏まえて株主価値の向上を目指す必要があるということが、しだいに理解できるようになりました。

欲を言えば、毎回の会議資料について、もっと「電子化」を進めてもらえたらと思います。電子データであれば自宅や外出先でも事前に内容を把握できますし、担当部署に早めに質問を投げかけ、説明の準備もしてもらいやすくなるはずです。効率化・省資源化両面からさらなる資料の電子化・ペーパーレス化・ツールのタブレット化を推進してほしいと思います。

Q 取締役会の実効性をさらに高めるために必要なことは?

ダスキンの取締役会の実効性は着実に高まっていますが、もう一段階高い次元を目指すべきだと思います。取締役会の最大の役割は、状況を把握した上でリスクを認識し、その対処方法を決め、リターンをいかに最大化するかを判断・決定していくことです。まずは執行部門が考えるべきことですが、執行部門は自身が担当する職掌での「部分最適」を追求しがちなため、全社を俯瞰した視点で最適化を進めるのが、取締役会の役目となります。

そのためには、取締役会が当社のポートフォリオ(資源配分)の現状を踏まえつつ、「選択と集中の原則」に基づいて、長期戦略の実現に向けより効果的な資源配分を着実かつ迅速に判断し、執行部門に委任していくことが求められます。すなわち成長に向けた実効性のあるポートフォリオマネジメントの具体的実践が、取締役会の実効性をさらに高めていく重要な要素だと認識しています。そして、そうした取り組みの継続が後継者の養成にも繋がっていくと考えます。

今後とも社外取締役の立場から当社の現状に対するしっかりとした分析と今後の方向性に関する深い議論に積極的に参画し、取締役会の実効性を一層高める一翼を担って参りたいと思います。

社外取締役 善積 友弥 略歴

1978年、味の素株式会社入社。2007年より同社取締役に就任し、アミノ酸カンパニー長、バイオ・ファイン事業本部北米本部長兼アメリカ味の素社(現味の素ヘルス・アンド・ニュートリション・ノースアメリカ社)取締役社長等を歴任した。2017年6月より当社取締役。