コーポレート・ガバナンス

基本的な考え方

当社は、様々なステークホルダーの期待に応え、中長期的な企業価値向上を図りつつ持続的な成長を果たす企業となるために、コーポレート・ガバナンスの強化を経営の最重要課題と捉えています。経営環境の変化に迅速かつ的確に対応できる経営体制を確立するとともに、健全で透明性の高い経営が実現できるよう、体制や組織、システムを整備していきます。すべての企業活動の基本にコンプライアンスを据え、企業価値の永続的な向上を目指していきます。

当社には創業者・鈴木清一が提唱した「祈りの経営」という確固とした経営理念があります。「祈りの経営」は、創業者が理想とする経営体制を築くために、創業者自身の修養体験によって育まれた思想や人生観を経営に取り入れたもので、当社では、この創業者の願いを継承し、社員全員が理念をきちんと理解し実行していくことこそ当社のコーポレート・ガバナンスであると考えています。

経営理念

コーポレート・ガバナンス体制

当社は、監査役会設置会社です。業務執行者を兼務する取締役の相互監視、及び独立役員であり客観性が高い監査が可能な社外監査役と当社の事業内容に精通しかつ高い情報収集力を持つ社内(常勤)監査役が、精度の高い監査を実施する現在の経営監視体制は、お客様視点に立った経営を推進し、健全で効率的な業務執行を行う体制として最も実効性があり、経営環境の変化に対する迅速かつ的確な対応に最も適合していると判断しています。

さらに、2018年度からは執行役員制度を採用し、執行役員への権限委譲を進め、取締役会の監督機能の強化を図っています。

コーポレート・ガバナンス体制図

コーポレート・ガバナンス体制図

コーポレート・ガバナンス強化の取り組み(年度)

2003 品質保証委員会の設置(現CSR委員会)
コンプライアンス推進会議の設置(現コンプライアンス委員会)
2006 定款に「経営理念」を盛り込む
内部統制システムの基本方針の制定
リスクマネジメント委員会の設置
東京証券取引所・大阪証券取引所の各市場第1部に上場
※東京証券取引所と大阪証券取引所は、2013年7月16日に現物市場を統合
2007 役員退職慰労金制度の廃止
2008 社外監査役を2名から3名に増員
2013 議決権電子行使プラットフォーム参加
2014 社外取締役を1名から2名に増員
2015 社外役員会議の設置
社外取締役を2名から3名に増員
招集通知 早期WEB開示の開始
2016 取締役会の実効性に関する分析・評価を実施
2017 取締役に対する株式報酬型ストック・オプション制度導入
取締役評価・選任制度を導入
取締役評価検討会を設置
2018 執行役員制度の導入
取締役員数を15名以内から12名以内に減員
3分の1以上の独立社外取締役を選任
2019 取締役評価検討会の構成員を独立役員のみに改めるとともに取締役会の諮問機関に変更

取締役・監査役の構成(2019年6月25日現在)

  • 社外役員比率
  • 女性比率

社外取締役の比率の変化

社外役員比率

取締役会

当社は、経営の健全性、効率性、実効性を保持するとともに、多岐にわたる事業領域における高度な経営判断を行う条件を整えるべく、全体としての能力、経験、略歴、性別等のダイバーシティを考慮して取締役の員数を12名以内としています。

社内取締役は、経営理念、企業行動指針、中長期的な成長戦略等に照らして取締役に求められる要件に合致した者から選抜し、社外取締役は、企業経営者、有識者等であって、当社と特別利害関係のない独立性の高い人材を、経験、見識、視点の多様性等を考慮して複数名招聘することとしています。

取締役会が、重要な意思決定と業務執行の監視・監督機能を果たせるよう、取締役は、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応できる、会社の業務に精通した社内取締役6名及び社外取締役3名(全員が独立役員)の構成となっています。

監査役会

監査役会は、財務・会計及び法務・コンプライアンスに見識のある常勤監査役2名及び公認会計士、弁護士としての高い専門性を有する非常勤の社外監査役3名(全員が独立役員、うち女性1名)の体制で、取締役の職務執行を監視するとともに、当社グループの重要な意思決定のプロセスや業務執行状況を監査しています。

監査役は、取締役会をはじめとする重要な会議に出席して意見を述べるほか、監査役会を毎月1回開催して監査方針の決定や監査状況の進捗を確認しています。

諮問機関

社外役員会議

社外役員がその独立性に影響を受けることなく適切に情報を収集し、透明、公正かつ客観的な立場から経営の監督機能を発揮するとともに、実効的なコーポレート・ガバナンスの実現に資する有益な意見を表明することを目的として、取締役会の諮問機関である「社外役員会議」を設置しています。

取締役評価検討会

代表取締役社長執行役員が、取締役会に諮る取締役及び執行役員の候補者案、並びにその報酬額案を立案するに際し、必要な助言を得るための諮問機関として、「取締役評価検討会」を設置しています。

なお、「取締役評価・選任制度」の実効性向上を図る目的で、2019年4月より取締役会の諮問機関に変更するとともに、独立役員のみで構成する組織へと変更し、客観性と透明性を高めることとしました。

CSR委員会

CSR委員会
CSR委員会

企業としての社会的責任を果たすため、CSR活動において取り組むべき優先課題や取り組む範囲を特定し、当社グループ全体でCSR 経営を推進することを目的として、取締役会の諮問機関である「CSR委員会」を設置しています。

リスクマネジメント委員会

リスクマネジメント

コンプライアンス委員会

コンプライアンス

執行機関

執行役員会議

取締役会で決定された経営基本方針に基づき代表取締役社長執行役員が業務を執行するに当たり、業務に関する重要事項を審議する機関として「執行役員会議」を設置しています。

経営戦略会議

CSR委員会
経営戦略会議

全社的な経営戦略、事業ポートフォリオ、経営資源の配分等について、全役員及び事業部長等が中長期的視点で討議する場として「経営戦略会議」を開催しています。

予算進捗会議

各事業部門の予算執行状況及びその乖離状況を的確に把握し、対応策等の討議を行うとともに、情報共有を図ることを目的として、「予算進捗会議」を開催しています。

各機関の構成員と主な機能

名称 議長/委員長 構成員 主な機能
取締役会 山村 輝治
(代表取締役)
取締役9名(うち社外取締役3名)、オブザーバー:監査役5名(うち社外監査役3名 当社グループの経営上の重要な事項についての意思決定を行うとともに、業務執行の監督を行う
監査役会 重吉 康人
(常勤監査役)
監査役5名(うち社外監査役3名 法令定数等に基づく監査、重要な会議に出席して、経営の監視を行う
CSR委員会 住本 和司
(取締役)
執行役員6名(うち取締役兼任5名)、社外取締役2名、常勤監査役1名 CSRに関わる中期基本方針や年次活動の特定、未対応課題への取り組み等について討議する
リスクマネジメント委員会 岡井 和夫
(取締役)
執行役員2名(うち取締役兼任1名)、本社部門部長8名、事業部門管理部室長2名 リスクマネジメントに関する年度計画、発生リスクの原因及び対応策、事業継続計画(BCP)、リスクの洗い出しと監査結果等について討議する
コンプライアンス委員会 岡井 和夫
(取締役)
執行役員7名(うち取締役兼任2名)、社外取締役2名、常勤監査役1名、労働組合委員長1名、弁護士1名 コンプライアンスに関する体制、年度計画、研修計画等の他、内部通報制度の運用状況等について討議する
社外役員会議 山本 忠司
(社外取締役)
社外取締役3名社外監査役3名 当社の中長期的企業価値向上に向けた提言を行う
取締役評価検討会 山本 忠司
(社外取締役)
社外取締役2名社外監査役1名 取締役及び執行役員の候補者の選任、その報酬の決定に際し、取締役会からの諮問に応じた必要な助言を行う
経営戦略会議 山村 輝治
(社長執行役員)
執行役員全14名、社外取締役3名、監査役5名(うち社外監査役3名 全体的な経営戦略、事業ポートフォリオ、経営資源の配分等について、中長期的視点で討議する
執行役員会議 山村 輝治
(社長執行役員)
執行役員全14名、オブザーバー:常勤監査役2名 業務執行に関する重要な事項を審議する
予算進捗会議 山村 輝治
(社長執行役員)
執行役員8名(うち取締役兼任6名)、常勤監査役2名 各事業部門の予算執行状況及びその乖離状況を的確に把握し、対応策等について討議する

取締役会の実効性評価

当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図ることを目的として、取締役会全体の実効性に関する分析・評価を年1回実施しています。

2018年度の分析・評価のプロセスと結果、2019年度の取り組み計画は、下記のとおりです。

分析・評価のプロセス

分析・評価のプロセス

分析・評価の結果

課題 向上した点 今後の課題
取締役会の意思決定・監督機能のさらなる強化
  • 執行役員制度を導入し運用を開始した。大幅な権限委譲を進め、取締役会における重要案件の審議時間が確保された。
  • 取締役会における全社的な経営戦略等に関する議論の一層の充実を図るために、支援する戦略企画立案部門の拡充を実施した。
経営計画の検証及び当社の持続的成長のための当社固有の戦略テーマへの取り組みの強化
取締役会の構成
  • 取締役会の構成員数を3名減員し、構成員数の適正化を図った。 業務執行取締役の役割・責任範囲を広げ、戦略的議論を進め執行に反映する土台の構築を行った。
ダイバーシティを考慮した取締役会の構成
健全なインセンティブとして機能するメリハリのある報酬制度
  • 役員報酬制度及び報酬ガバナンスについて、2019年度からの新たな仕組みの導入を決定した。
  • 役員報酬の決定基準、プロセスについて、取締役評価検討会がモニタリングする体制を整えた。
代表取締役を含む取締役の選解任プロセス及び経営陣の後継者育成プロセスの客観性、透明性の向上
  • コーポレート・ガバナンス報告書において取締役の評価及び選解任に対するプロセスを開示し、透明性向上を図った上で、コーポレートガバナンス・コード補充原則4-1③「最高経営責任者の選任」をコンプライした。
  • 取締役評価検討会の構成員をすべて、独立役員に指定している社外役員に変更し、実効性の強化を図った。
  • 役員人事(選解任)について、取締役評価検討会がモニタリングする体制を整えた。
次世代経営陣幹部の育成

2019年度の取り組み計画

課題 取り組み計画
経営戦略等に関する審議の一層の充実
  • 当社の持続的成長のために、資本コストに留意した上で、事業ポートフォリオの点検とその適正化に向けた検討や財務政策及び各種投資(設備・R&D、IT、人材等)の資源配分に関する検討を定期的に行い、執行に反映させる。
  • 取締役会は、自ら決議した事項(経営計画含む)に関し、必要に応じて定期的にモニタリングを行う。
取締役会の構成・次世代経営陣幹部の育成
  • 現任取締役及び次世代取締役候補人材の選抜、育成、登用について取締役会が共有する。
  • 現任取締役、次世代取締役候補人材に対して、コーポレート業務や企業統治関連のトレーニングを外部との交流を含めて実施し、経営実務の習得や経営者マインドの醸成を図る。

取締役の選任方針

取締役候補者は、当社の取締役に相応しい人格、識見、倫理観を備え、その職務の遂行に当たり健康上の支障がないという基本的条件に合致する者から決定します。

その上で、社内取締役候補者は、代表取締役が現任の取締役・監査役に候補者の推薦を求め、代表取締役は推薦のあった者について、当社グループの中長期的な成長戦略の着実な推進力となり、組織の活性化に好影響を与える人物を選抜し、取締役評価検討会(社外取締役が議長を務め、かつ過半数を独立役員で構成)の助言を参考にして、取締役会での審議を経て決定します。

社外取締役候補者は、当社グループと特別の利害関係が無く、独立性を保つことができ、また、取締役会の監督・助言機能の実現のために不可欠なビジネスキャリアや専門的知見を有する人物であって、かつ当社が経営の透明性、健全性、手続きの公正性を保持する上で多面的な視点から有益な助言を求め得る人材を、取締役会での審議を経て決定しています。

なお、当社と社外取締役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は法令で定める額としています。

社外取締役の選任理由

氏名 選任理由
山本 忠司 株式会社ワコールの取締役専務執行役員としての企業経営における豊かな経験と高い見識。同社在職中の人事企画や国際業務企画等の分野における豊富な業務経験。
善積 友弥 味の素株式会社の取締役常務執行役員としての企業経営における豊かな経験と高い見識。同社在職中に、グループ全体の生産戦略立案、中期経営計画策定、M&A戦略推進等の業務や、同社北米本部長、アメリカ味の素社社長として北米事業全体の統括及び北米現地法人の事業統括に関与した経験。
関口 暢子 株式会社カプコンの常務執行役員として、中期経営計画策定、年度予算の管理、組織再編・M&A等の経営企画業務に加え、人事制度改革の中心を担った経験と高い見識。
  • (注)3名全員が独立役員

社外役員の独立性に関する基準

当社では、社外取締役または社外監査役を選任するに当たって、その独立性を確保するため、有価証券上場規程施行規則(東京証券取引所)が定める独立性基準に、当社独自の要件を加えた基準を定めています。

社外役員候補者を選任する際は、候補者がこの基準に抵触しないことを確認した後、取締役会での審議を経て決定します。

  • 1. 当社グループ※1の取締役(当社の社外取締役を除く)、監査役(当社の社外監査役を除く)又は使用人である者
  • 2. 当社の主要株主※2若しくは当社が主要株主である法人等の取締役、監査役又は使用人である者
  • 3. 当社グループの主要取引先企業※3の取締役、監査役又は使用人である者
  • 4. 当社グループから多額の寄付※4を受けている個人若しくは法人・団体等の理事その他の取締役、監査役または使用人である者
  • 5. 当社グループから役員報酬以外に多額の金銭※5その他の財産を得ている法律専門家、会計専門家、コンサルタント(当該財産を得ている者が法人等の団体である場合は、当該団体に所属する者)
  • 6. 過去において、上記1.から2.までに該当していた者
  • 7. 過去3年間において、上記3.から5.までに該当していた者
  • 8. 上記1.から7.までに掲げる者の配偶者又は二親等内の親族
  • 9. 就任からの在任年数が社外取締役については5年、社外監査役については8年を超える者
  • 10. その他、当社の社外役員としての職務遂行上、独立性に疑念がないこと
  • ※1「当社グループ」とは、株式会社ダスキン及び株式会社ダスキンの子会社をいう。
  • ※2「主要株主」とは、総議決権の10%以上の株式を保有する個人又は法人等をいう。
  • ※3「主要取引先企業」とは、直前事業年度において当社グループとの取引の支払額又は受領額が、当社グループ又は取引先(その親会社及び子会社を含む)の連結売上高の1%又は10億円のいずれか大きい額を超える者をいう。
  • ※4「多額の寄付」とは、直前事業年度において当社グループの連結売上高の1%又は1億円のいずれか大きい額を超える財産を得ていることをいう。
  • ※5「多額の金銭」とは、直前事業年度において当社グループの連結売上高の1%又は1億円のいずれか大きい額を超える財産を得ていることをいう。

役員報酬

当社は、役員報酬をコーポレート・ガバナンスの重要事項と位置づけ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のため、取締役の貢献度及び能力、資質を評価し、処遇に反映するため「取締役評価・選任制度」を設け、実効的に運用しています。

当社の取締役(社外取締役を除く)報酬は、基本報酬(固定報酬)及び賞与(業績連動報酬)、並びに株式報酬型ストック・オプション(中長期インセンティブ)により構成し、外部調査機関による役員報酬調査データから、当社と規模、業種、業態が類似する企業のものを比較検討し、また、「取締役評価検討会」に意見を求める等、取締役会で議論を尽くして報酬額を決定しています。基本報酬は、各取締役が担当する役割の大きさとその地位に基づき、その基本となる額を設定しています。賞与は、親会社株主に帰属する当期純利益の実績を基に、全取締役分の原資の上限を決定し、「取締役評価・選任制度」に基づく貢献度評価により各人別の配分額を決定しています。株式報酬型ストックオプションは、基本報酬の一部に代えて年額50百万円以内で新株予約権を割り当てるものです。

社外取締役及び監査役の報酬は、基本報酬と賞与で構成しています。社外取締役の報酬等は、当該社外取締役の経歴等を勘案した上で、基本報酬及び賞与のいずれについても一定の金額に設定しています。監査役全員の報酬総額は、株主総会で決議された報酬枠の範囲内で決定され、各監査役の報酬額は、監査役の協議により決定しています。

役員報酬の内容(2019年度、単位:千円)

役員区分 報酬等の総額 報酬等の総額 対象となる
役員
基本報酬 賞与 ストック
オプション
取締役 247,130 194,521 42,200 10,409 6名
社外取締役 23,400 18,600 4,800 0 3名
常勤監査役 52,500 45,300 7,200 0 2名
社外監査役 29,700 24,900 4,800 0 3名
  • 社外取締役を除く

役員のトレーニング・情報提供

当社は、新たに取締役・監査役に就任する際には、役員が順守すべき法的義務、責任等についてのセミナー等に参加する機会を設けています。

また、社外役員を招聘する際には、代表取締役社長執行役員から当社の経営理念を説明し賛同を得た上、事業戦略、事業内容等について説明するとともに、当社に関する知識を深める目的で、主要拠点、研修施設、工場等を視察する機会を設けています。

後継経営者の育成計画

当社は、後継経営者候補に求められる資質を有すると判断された者を、事業部門、地域本部、子会社の責任者として任命し、経営判断ができる知識、経験を積ませることとしています。

また、代表取締役社長執行役員は全執行役員と定期的(毎月)に面談を行い、半期毎には「取締役評価・選任制度」に基づき、定量的評価を実施し、職務遂行状況及び能力向上を確認するとともに、指導教育の機会としています。

政策保有株式に関する方針

当社は、保有する合理性があると認める場合に限り、適切な数の株式を保有することとしており、合理性が認められない銘柄については適宜、縮減または売却する方針としています。

また、年1回以上、すべての政策保有株式について、個別銘柄毎に業務提携、取引の維持・強化等事業活動上の必要性及び当社の資本コストや発行会社の株価動向等を勘案し、保有の適否を取締役会で検証することとしています。