CFOメッセージ

取締役 CFO 宮田 直人

財務方針

資本コストを意識しながら、
キャッシュ・フローの創出と資本効率
を高め、持続的成長を支える
財務政策を実行します。

取締役CFO
宮田 直人

2021年3月期と中期経営方針2018の振り返り

2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、減収減益という厳しい決算となりました。コロナという経営環境の激変に鑑み、フランチャイズチェーンの維持という当社最大の責務を果たすべく、お客様、フランチャイズ加盟店、従業員の安全確保を最優先しつつ売上回復施策に注力するとともに、この事業環境の変化を新たな成長機会と捉えた戦略の立案と実行に取り組みました。とりわけすべてのフランチャイズ加盟店とその社員へ見舞金を支給したこと及びミスタードーナツのお客様の「安全・安心」確保のためにカフェテリアタイプの店舗全ショーケースに扉を設置したこと、並びに訪販グループにおいて生活者・事業者の「衛生環境を整えるダスキン」への認知度向上の広告展開を実施したことについては社長の英断で決定しました。財務責任者としては業績見通しが不透明の中、決算上相当なインパクトがありましたが、結果としてはフランチャイズチェーン維持のために必要な施策であったと考えています。

そのような状況のなか、「中期経営方針2018」は最終年度となりましたが、残念ながらコロナの影響により目標自体は未達成に終わりました。しかしながらこの期間において事業基盤で一定の成果があったことに加え、ガバナンス面で執行役員制度を導入し経営と執行の分離を図ったほか、投資評価会議を新設する等、体制を整備しました。また人材投資の面では、サクセッションプランの運用を開始し、次世代経営層の育成にも着手しています。次期中期計画については、本来既に発表している時期ですが、コロナで先行き不透明感が高まる情勢に鑑み、可能となった時点で公表いたします。

資本効率の向上

当社の2021年3月末における総資産は1,883億円、自己資本比率は77.2%と十分な財務健全性を維持しています。資本コストを上回る利益とキャッシュ・フローを生み出すことが株主価値の向上に繋がると考えており、毎期の資本効率性や投下資本の回収率を評価するため、取締役会で事業ポートフォリオ分析に基づき各事業の方向性を討議しています。またCFOを議長とする「投資評価会議」により投資のPDCAサイクルを構築し、資産効率の向上に取り組んでいます。成長投資により新たな事業基盤を確立するとともに、業務プロセスの効率化や原価低減活動の取り組みを強化します。それにより収益性を改善し、株主の方々の期待にお応えするために、早期にROEを5%まで向上させることを目指します。

投資とキャッシュ・フロー

当社のフランチャイズチェーンは当社の重要な無形資産であると考えております。独自の経営理念に基づいて加盟店と本部が結びついている運命共同体です。各セグメントの事業は景気動向との相関性が高く、フランチャイズチェーンの維持コストを含めて、余裕を持った運転資金の確保が必要です。

投資については特にこの3カ年において、積極的な投資をしていきます。現状の営業キャッシュ・フローを概ね130億円とすると例年100億円前後が既存分の投資に回っており、これに加えて政策投資株の売却及び金融機関からの借り入れを含めて当面は成長投資を実施して、その上で株主還元をさせていただきたいと考えています。

またM&Aや新規事業に加えて、顧客体験の向上を目指すDXや人材への投資を重視しています。そして今後は社会的なコストや投資も必要になると考えています。SDGsが目指す持続可能な社会に向けて、当社がどのように貢献していくかを考えますと、長い目で見ると当社の経済価値に繋がることでも短期的にはコストとして出ていく場合もあるでしょう。

しかし、未来への投資であるサステナビリティへの取り組みは重要であり、今までになかった長期スパンの投資も積極的に検討していきます。

キャッシュ・フロー計画

株主還元

当社では、連結業績(当期利益)に応じた利益還元を行うことを基本方針としています。2020年3月期より株主の方々への利益還元策として、連結配当性向50% を目途に毎期の配当額を決定することとし、かつ安定的な現金配当を継続していきます。また総還元性向の視点から自社株式の取得についても機動的に検討していきます。

引き続き、TOPIXを上回るTSRを実現するとともに、株主資本コストを意識しながら、成長戦略と財務健全性の両立を目指していきます。

  • 年間配当・配当性向・総還元性向
    216
  • 株主総利回り(TSR)推移(年率)
    68
    • Total Shareholder’s Return(TSR):株主総利回り。キャピタルゲインと配当を合わせた総合投資収益率
    • TSRの計算は、ダスキンは累積配当額と株価変動により、TOPIXは配当込の株価指数により算出(Bloombergデータ、日本取引所グループ月報「3. 株価指数・株価平均」等により当社作成)