第4回 研究会レポート
概要
- 1.日時:
- 2004年12月8日(水)18:00~19:30
- 2.場所:
- 株式会社ダスキン 本社会議室
- 3.出席者:
- 教育関係者7名(小学校 5名、中学校 1名、教育委員会関連 1名)
- 4.タイムスケジュール
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時間 内容 18:00 はじめに 18:02 学校事例紹介 18:15 分科会 - ・15分の掃除時間をどのように運営するか
- ・掃除カリキュラムをどのように発展させるか
19:15 成果発表会に向けて 19:28 今後の予定
分科会の内容
「掃除時間の活用」グループと「掃除カリキュラムの発展」グループに分かれて討議した。
I.【15分の掃除時間をどのように運営するか】
掃除時間を活用して、どのような力を伸ばしたいかを検討。以下の2つの目標に絞った。
- ★ 効果的な掃除方法を学ぶ(段取りをする力)
- ★ 公徳心、協調性を養う(協力しあって役に立とうとする力)
●学校掃除の現状の課題
- ▽1年生は25~40人全員教室のみの担当で人数が多すぎる。ひとつずつの道具の使い方から教えているが、一度に教えられないのが課題。他の子どもは遊んでしまう。
- ▽低学年は一通り経験するまでに時間がかかる。
- ▽分担場所で1番大変なのは、校庭。中学年があたることが多いが、雨の日の扱いなど難しい
- ▽机運びとモップが嫌い。モップをしぼらなくてはならないから。
- ▽高学年の子どもが教えに行くのは非常に効果的で、高学年も下級生に教えるときは殆どまじめに教えている。こういった効果を利用はできる。
- ▽当番がチェックして、きれいなところに張り紙をしてもらうことで、「わたしたちも貼ってもらおう」というモチベーションがあがった。これは効果的。
- ▽授業でゴミだらけになっていたが、今までどおりの掃除をしていたのをみて、子どもが自主的に「これだったら、こうするといいんじゃない?」と言い出し、 子どもが自分で考えて段取りよく掃除をするようになった。汚れすぎると自分でも考える・・。
- ▽高学年の場合、協力意識は切り捨てて担当としてやりきらせる、という方法もある。
持ち場が決まると皆真剣にやっている。 - ▽理科室、特別教室ではチェック項目を作っている。
- ☆1週間の表。3段階自己チェックができる表。表には、その週の担当メンバーを記入できるようにし、メンバーの中の「チェック係」が自己評価で表をチェックする。
●掃除時間の中でできることの見直し案
- ▽理想的には当番制にして5人程度のグループにする。
- ▽クラスの中の当番表を決めて実施する。
- ▽低学年、中学年はシール集めが好きなので、ご褒美のシールを目当てにさせる工夫があるといいのでは。
- ▽クレンザーを使うなど、きれいになったという達成感のために道具を使う。
- ▽「ここはわたしが担当しました」と写真つきで表示する。楽しいフォーマット。
- ▽早く終わって遊べることも価値、プラスの評価をもらえることも価値、何か価値をつけることが大事。
- ▽美化委員を活用してみてはどうか。
●その他、中学での現状は・・・
- ▽当番制がない日がある。
- ▽チェック表に細かく合格基準をつくる。
- ☆カーテンはあけて、カーテンとじでとじている。
- ☆掲示物がゆがんでない。分担を決めてはっきりと合格基準を作り、チェック表をはって子どもにチェックさせるとかなり徹底できた。チェック項目は子どもたち自身に作成させるなど考えさせることもよい方法では。
II.【掃除カリキュラムをどのように発展させるか】
ダスキンカリキュラムを活用し、総合的な学習の時間や教科にどのように応用していけるかを検討。
まず、以下の4つの目標をあげた。
- ★家庭での大掃除につなげる
- ★段取り計画力を高める
- ★ゴミ問題について考える
- ★上級生としての自覚を促す
●目的別ダスキンカリキュラム活用案
- ▽高学年による学校をきれいにしよう活動
-掃除を自ら計画し実行するプロジェクト型学習 - ▽環境にやさしい掃除を考える
-洗剤の問題から環境問題につなげる。ここからの更なる発展としては、- 1.アクリルたわしなどの作成を行い、実際に掃除をする
- 2.地域へ出て掃除を行う
- ▽ゴミの分別
-掃除を通してゴミを分別したり、ゴミを減らす工夫を考える - ※ただし、ゴミの分別の問題は小学校4年生社会・5年生家庭科で学習するので、学習した内容をどのように掃除につなげるかは検討の余地がある
●授業時間における問題
授業時間が非常に少なく、家庭科は1週間に2時間連続取れるときと、1時間しか取れないときがある。
このような中で、カリキュラム発展を考えると、総合的な学習の時間の連携なくしては難しいと思う。
そのため、教科では教科目標を達成できるよう内容を実施し、総合的な学習の時間では、教科で学習した内容を応用していけるようにしなければならない。