商品情報へのリンクです。
サポートメニューです。
お問い合わせ
サイトマップ
サイト内検索です。

トップメッセージ

「喜びのタネまき」の実践を続け業績を成長軌道へ

株式会社ダスキン 代表取締役社長 山村 輝治

当社は1963年に創業して以来、「祈りの経営」を経営理念とし、「道と経済の合一」を目指して、人々の幸せを願う「喜びのタネまき」を実践してきました。これからもこの使命を全うする企業であり続けていきます。「中期経営方針2015」(浸透と徹底)の2年目となる昨年度(2017年3月期)は、業績回復に向けた改革と、業容拡大のための礎づくりに注力しました。各事業の戦略・方針に関する検証が昨年度中にほぼ完了したことで、最終年度となる今年度(2018年3月期)からは、業績を再び成長軌道へ乗せることを目指し取り組みを加速していきます。

2023年を最終年度として展開する長期戦略「ONE DUSKIN」においては、“生涯にわたりお客様のご要望にお応えできるダスキン”を目指し、“お客様のお役に立ち、喜んでいただくこと”を大切にします。そして、これからもお客様に寄り添い、物だけでなく、心も豊かな暮らしに貢献することを通じて、持続的な企業価値の向上を実現します。

昨年度(2017年3月期)の業績総括

構造改革が芽を出しつつあり今後に向け確かな手応え

クリーン・ケアグループでは、お客様との接点の強化と、多様化のための検証を進めました。またフードグループでは、ミスタードーナツのブランド再構築を図る施策を実施するとともに、ミスタードーナツに次ぐ新事業の育成にも取り組みました。

これらの取り組みの結果、2017年3月期の業績は、クリーン・ケアグループは増収・増益となったものの、フードグループの減収により、連結売上高は1,618億80百万円(前期比2.0%減)となりました。一方、利益面に関しては、「スタイルクリーナー」の原価減少や原材料などの仕入コスト削減により原価率が改善したことで、連結営業利益は60億69百万円(同13.0%増)、連結経常利益は75億54百万円(同12.6%増)といずれも増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益も43億18百万円(同44.8%増)と、増益となりました。

業績数値にはまだ表れていませんが、数年前から進めてきた事業構造改革の取り組みは、昨年度において、ようやく成果の端緒を見ることができ、今年度以降に向けた手応えを感じています。

なお、当社は株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題と位置付け、安定した配当を継続的に行うことを基本方針としています。今年度につきましても、中間20円、期末20円、合計40円の一株当たり配当を実施させていただきました。

長期戦略「ONE DUSKIN」が目指すもの

全ての事業が一つになってもっと愛されるダスキンに

2015年に、当社グループは長期戦略「ONE DUSKIN」を定めました。この「ONE DUSKIN」には、「ONLY ONE」「NUMBER ONE」「ALL FOR ONE」の3つの思いを込めています。

最初に「ONLY ONE」は、フランチャイズ加盟店と本部が同じ経営理念を共有するフランチャイズチェーンであり、お客様が安心して笑顔あふれる暮らしを実現するという目標を共有する、唯一の企業グループであり続けることです。実際に、本部の経営理念を自社の経営理念として掲げるフランチャイズ加盟店が数多くあります。これは当社グループが、創業時より、まず「理念の共有」を重視し、運命共同体として加盟店とともに歩んできた積み重ねがあるからです。

次に「NUMBER ONE」は、“地域で一番の店”になるということです。加盟店経営者の多くは、生まれ育った地域で事業活動をしていることから、その地域の事情やそこで暮らす生活者のことをよく理解しているという強みを有しています。そこで、お客様のご要望に先回りした提案を行うことで、地域で最も信頼される存在になることを目指します。

最後の「ALL FOR ONE」は、すべての事業・サービスが一つになってお客様のご要望にお応えするということです。当社は、数多くのフランチャイズ事業を複合的に展開しておりますが、お客様から見ればダスキンは一つです。モップやマットなどをレンタルしているお店や家事代行サービスを提供しているお店が、自店の取り扱っていない商品・サービスへのご要望にも他店と連携し対応を進めるなど、ダスキンのすべての商品・サービスがお届けできるよう改革を進めています。

2017年3月期の業績と2018年3月期の予想(連結)
  2016年3月期
実績
2017年3月期
実績
2018年3月期
予想
前期比
増減額
前期比
増減率(%)
売上高 165,203 161,880 165,000 △3,322 △2.0
営業利益 5,372 6,069 6,600 697 13.0
経常利益 6,707 7,554 8,000 846 12.6
親会社株主に帰属する
当期純利益
2,983 4,318 4,700 1,335 44.8

(単位:百万円)

表を拡大する。

各グループでの主な取り組みと評価

拡大の余地が大きい「役務サービス」。
過去の成功体験にとらわれず、柔軟な対応でビジネスの機会をつかむ

クリーン・ケアグループは、マットなどの事業所向け衛生商品のレンタルサービスが伸びるなど、ここ数年苦戦していた事業所市場での取り組みが成果を上げつつあります。

家庭市場は、共働き世帯の増加や核家族化の進行、単身世帯の増加など、世帯構造の変化を背景にモップ商品のレンタルは伸び悩んでいますが、高齢者世帯や単身者を対象としたサービスの受注は拡大傾向にあります。特に、サービスマスター(プロのお掃除サービス)やメリーメイド(家事代行サービス)といった役務サービスが年々拡大しており、多くの需要に対応できず注文が受けられないケースも発生しています。今後の対策として、人材確保に努めます。

こうした役務サービスは、今後拡大の余地があると見ています。少子高齢化によって若いファミリー層は減少していますが、シニア層を対象とした事業の機会は拡大しています。過去の成功体験にとらわれることなく、社会変化に柔軟に対応することで、さらなる成長を図りたいと考えています。

プロのお掃除サービス「サービスマスター事業」
プロのお掃除サービス「サービスマスター事業」
家事代行サービス「メリーメイド事業」
家事代行サービス「メリーメイド事業」

従来の店舗モデルを見直し新店舗タイプを出店。
今年度以降の業績反転に向け足がかりを得る

フードグループの基幹事業であるミスタードーナツ事業では、これまでファミリー層を中心とするテイクアウト需要に支えられてきましたが、近年は少子化・核家族化に加えて、競争も激化したことで、これらの環境変化に対応した構造改革が急務となっています。昨年度は、立地条件により異なるニーズに対応する店舗タイプを開発し、出店を進めました。また、ご要望が高まる健康志向に対応する新商品を開発することで、お客様の来店促進を図りました。

新店舗タイプでは、朝食・昼食分野(店内飲食)にも注力し、商品開発とともに、一部の店舗では客席数を増やす改装も実施しました。一方で、駅ナカや駅ビル、商業施設内向けに、省スペースで出店できる持ち帰り専門店を開発し、関東圏と大阪に出店しました。

これらはいずれも出店における考え方を転換するものであり、店舗タイプに合った立地条件の場所を探して出店するという従来の考え方から、立地条件に合った店舗タイプを選択して出店するという考えに改めています。立地に合った利用目的に対応した店舗タイプ・業態を開発し、お客様との接点を拡大していきたいと考えています。

テイクアウト専門店「ミスタードーナツ to go」
テイクアウト専門店「ミスタードーナツ to go」
店内飲食の売上が伸びているカフェタイプ
店内飲食の売上が伸びているカフェタイプ

中期経営方針「浸透と徹底」の進捗状況

「ONE DUSKIN」の実現に向け、4つの基本方針を着実に実行

「中期経営方針2015」は、3つのフェーズで構成される長期戦略の第1フェーズであり、「ONE DUSKIN」の「浸透と徹底」を目標としています。そこで定めた「4つの基本方針」は、いずれも着実な進捗を見せています。

中期経営方針 基本方針

事業モデル構築
当社とフランチャイズ加盟店がお客様情報を
共有・活用できる仕組みを構築します。
新たなる成長
新たな事業の開発に注力するとともに、
クリーン・ケア及びミスタードーナツの海外展開を拡大します。
構造改革
生産・物流・調達及び情報システムなどのコスト構造を見直し、
利益体質の改善に注力します。
コーポレート・ガバナンス強化
公正で透明性の高い経営を目指すという考え方に加え、
成長戦略の一環として強化を図ります。

「事業モデル構築」については、クリーン・ケアグループにおいて加盟店とのオンラインネットワークの構築による情報共有を進めるとともに、キャンペーン情報などをお客様に直接届ける会員サイト「DDuet(ディーデュエット)」を導入しました。同サイトを活用して、不在でお会いできないお客様に定期的に新商品やキャンペーンなどの情報を届けることにより、お客様との関わりを強化していきます。

会員サイト「DDuet」
会員サイト「DDuet」

「新たなる成長」については、新事業開発とともに、既存事業の海外展開拡大にも注力しています。ミスタードーナツ事業では、すでに中国(上海)、台湾、タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシアに事業展開していますが、昨年度はマレーシアを中心にドーナツ事業を展開するビッグアップル社を子会社化しました。

マレーシアのドーナツ事業「ビッグアップル」
マレーシアのドーナツ事業「ビッグアップル」

「構造改革」に関しても、クリーン・ケア、フードの両グループにおける生産・物流・調達・情報システムなどについてコスト構造の見直しを行っており、利益率の改善を進めていきます。

「コーポレート・ガバナンス強化」については、社外取締役、社外監査役をそれぞれ3名選任し、社外役員による経営チェックの有効性を高めるため、社外役員の声を聞く機会を積極的に設けています。さらに、2017年1月には取締役会全体の実効性に関する分析・評価を実施し、この結果を踏まえた「社外役員会議」の提言を受け、取締役会のさらなる実効性向上に向けて、今年度、取り組むべき事項に関する討議を行いました。今後も、独立性のある外部役員によるチェックで経営の透明性を一層確保するとともに、確実な成長戦略に向け取締役会の活性化を図っていきます。

なお、今年度からは、株主の皆様と株価変動のリスクとリターンを共有し、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に対する貢献意欲をさらに高めるために、当社取締役(社外取締役を除く)に対する株式報酬型ストック・オプションを導入いたします。

今年度(2018年3月期)の展望

検証店で成果を上げている戦略を積極的に進め、業績回復へ

今年度は、長期戦略「ONE DUSKIN」の第1フェーズ「浸透と徹底」の最終年度となります。

クリーン・ケアグループでは、事業所を対象としたサービスの拡大に注力し、これまで「清掃・衛生用品のレンタルと販売」や「掃除」、「害虫獣駆除」など個別のサービスとして展開していたものを「衛生管理」という軸でとらえ、ハイジーンマスター(衛生管理のスペシャリスト)がお客様の衛生状況を「把握・改善・維持」するマネジメントを行い、飲食店だけでなく、高齢者施設や工場の食堂などの「衛生管理」に役立つ、幅広いサービスを提供します。

衛生管理に関する高いスキルを習得した「ハイジーンマスター」による提案活動
衛生管理に関する高いスキルを習得した
「ハイジーンマスター」による提案活動

また、2015年度から取り組んでいる高齢者向けサービス「ライフケア」についても、「家事おてつだい」、「片付け」、「庭木の手入れ」などを一つのパッケージにすることで、シニア層へのマーケティングの強化を図り、一人ひとりのお客様に応じた提案を行える体制をつくるとともに、各種情報発信によってお客様へのお役立ちを深めていきます。

フードグループでは、ミスタードーナツのビジネスモデル改革を積極的に進めることが大きな鍵になると考えています。全体の業績に反映するまでには至っていませんが、先述の改革によって売上増が見込めるため、今年度からは、これらの出店戦略と商品戦略を確実に実行し、業績回復につなげます。また、ミスタードーナツに次ぐ新事業の開発・検証を行い、新たなフード事業の成長の芽を育てていきます。

ドーナツだけでなく食事・軽食メニュー等で、幅広い時間帯に対応する新店舗タイプ
ドーナツだけでなく食事・軽食メニュー等で、
幅広い時間帯に対応する新店舗タイプ

CSR活動の考え方と重点テーマ

お客様に、社会に一層喜ばれる会社を目指す

長期戦略「ONE DUSKIN」の実現に向け、当社は2015年度にCSR活動の重点テーマを「安全・安心・品質」「人材」「環境」「地域・社会貢献」の4つに定め、グループ一丸となった取り組みを進めています。

「安全・安心・品質」については、すべての提供商品において導入直後の重大不具合の発生件数ゼロを継続するため、徹底した管理体制の構築・実践に取り組んでいます。「人材」については、女性管理職比率の向上に努めるとともに、人材育成のための一人当たりの研修時間の拡大を図り、社員がいきいきと働ける職場づくりを推進しています。「環境」に関しては、温室効果ガスの排出削減とともに各部門での3R(リサイクル・リユース・リデュース)に努め、環境経営を推進しています。また「地域・社会貢献」については、地域での清掃活動や学校教育支援活動、そして障がいのある方の自立と社会参加を支援する「公益財団法人 ダスキン愛の輪基金」など、地域社会に貢献する企業として、様々な活動に取り組んでいます。

昨今、CSR(企業の社会的責任)の重要性が増していますが、企業は本来、持続的に成長することで、社会へ寄与していく存在です。今後も安全・安心で優れた商品・サービスの提供を通じて、豊かな暮らし、笑顔あふれる地域社会の持続的な発展に貢献していきます。

当社の経営理念である「祈りの経営」には、「損と得とあらば損の道をゆく」という言葉があります。この言葉には単に利益を追求するのではなく、まずは、目の前にいるお客様に喜んでいただくこと、そして社会のお役に立つことを第一義とする、という意味が込められています。この理念を加盟店を含むグループ全体で共有することで、私たちは他にはない“オンリーワン”の企業グループであり続けたいと思います。

株式会社ダスキン 代表取締役社長 山村 輝治

2017年8月 株式会社ダスキン 代表取締役社長 山村 輝治